アイナボホールディングス<7539>の2023年9月期の業績は、売上高で83,500百万円(前期比5.5%増)、営業利益で2,080百万円(同9.5%増)、経常利益で2,410百万円(同11.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,650百万円(同0.2%増)と、期初予想を据え置いている。
住宅市場の先行きは依然として不透明であるが、遅れていた価格転嫁を進めると同時に、上期に低下した売上総利益率の改善を進め、通期では営業増益を見込んでいる。ただ、上期の営業利益の進捗率は65.6%に達している。このため弊社では、現在の予想はかなり控え目であり上方修正の可能性もあり得ると見ている。
子会社別の営業利益は、アベルコは1,931百万円(前期比218百万円増)、インテルグローは200百万円(同7百万円減)、温調技研は105百万円(同81百万円減)、今村は84百万円(同67百万円増)、アルティスは121百万円の損失(前期87百万円の損失)、マニックスは85百万円(同9百万円減)、マリストは23百万円(前期比較なし)を予想している。アベルコは下期も引き続き堅調に推移する見込みで、通期でも増益予想となっている。インテルグローは、少なくとも前期並みの利益を確保する見込み。一方で、上期が不調であった温調技研は、通期でも減益を予想している。今村は増益予想だが、利益水準はまだ低い。アルティスは増収ながら経費拡大が見込まれ、赤字幅が拡大する予想となっている。マニックスは微増収となるが、微減益を予想している。マリストは営業利益を計上する計画だ。
同社は、M&Aに積極的であり、2021年9月期は1,180百万円(2社)、2022年9月期は900百万円(1社)のM&A投資を行った。2023年9月期も、1,200百万円(8社)を計画(予算化)しているが、既に2社(240百万円)は実行済みである。現在も多くの案件が進捗しているようで、今後の動向に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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