3. 中期経営計画
G-7ホールディングス<7508>は創業50周年となる2026年3月期を最終年度とした5ヶ年の中期経営計画をスタートした。業績目標として2026年3月期に売上高2,500億円、経常利益100億円を掲げており、2021年3月期の実績から売上高で1.53倍、経常利益で1.37倍を目指す。年平均成長率で見れば売上高で約9%、経常利益で約6%の堅実的な成長を見据えていることになる。前中期経営計画(2017年3月期~2021年3月期)の5期間では売上高で1.57倍、経常利益で2.27倍を達成しており、今回の業績目標も達成可能な水準と弊社では考えている。
目標達成に向けて同社は、以下の10項目を重点テーマとして取り組んでいく。
・事業会社各社で毎期増収増益、過去最高に挑戦する
・事業会社各社で黒字必達とする
・赤字総店舗数及び赤字総額0に挑戦する
・生産性指標となる1人当たり売上高、売上総利益、当期利益のすべてで前年比アップを目指す
・売上伸長率を上回る利益伸長率を必達する
・投資効率の良い新規事業、新業態の開発に挑戦する
・投資効率の良い新店を毎期70~100店舗出店に挑戦する(店舗数は2021年3月期末の586店舗から2026年3月期に1,000店舗へ、G-7モール含む)
・M&A、資本業務提携の推進に取り組む
・採用を強化し人材育成、人材教育に全力で取り組む
・ESG及びSDGsへの取り組みを推進する
また、主力事業の収益目標(事業会社の目標)は、業務スーパー事業で売上高1,000億円、経常利益45億円(2021年3月期比売上高1.19倍、経常利益1.13倍)、オートバックス事業で売上高500億円、経常利益25億円(同売上高1.57倍、経常利益1.20倍)、精肉事業で売上高350億円、経常利益12億円(同売上高1.91倍、経常利益1.28倍)を見込んでいる。
このうち業務スーパー事業は九州圏、中部圏、首都圏、北海道を中心に店舗数を拡大することで目標達成を目指す。売上高は年率3.5%成長となる計算で、出店が順調に進めば十分に達成可能な水準と言える。一方、オートバックス事業については年率9.4%の売上成長とチャレンジングな目標を立てている。同社はカーライフといったカテゴリーで周辺事業に領域を拡大していく戦略となっている。具体的には、アウトドア事業(FIELD SEVEN、オートキャンプ場等)を育成していくことで計画達成を目指すことになる。精肉事業は年率13.8%の売上成長を見込んでいる。業務スーパー店舗内への出店や業務用の卸販売事業を強化することで2ケタ成長を目指すが、前述したように直近は仕入環境が悪化しており、厳しい滑り出しとなっている。
ミニスーパー事業は売上高210億円、経常利益4億円を見込んでいる。首都圏でのスクラップ&ビルドを進める一方で、グループ会社の魅力的な商品を取り揃えることで集客力をアップし、店舗当たり収益力の向上を図りながら店舗数を再拡大し目標達成を目指す。ただ、足元の状況は想定よりも厳しく、いかに集客力向上につながる施策を打ち出すことができるかが重要となる。
そのほかバイクワールド事業、こだわり食品・プライベートブランド事業、アグリ事業(めぐみの郷)、海外事業はそれぞれ売上高で100億円、経常利益で2~3億円の規模に育成していく(アグリ事業については流通額ベース)。また、カーブス事業や店舗内装事業(主に業務スーパー店舗の施工)については売上高で各20億円を目指している。
なお、既存事業とシナジーが見込める新規事業の開発やM&Aによる取得も積極的に推進していくことにしている。前回の中期経営計画(2017年3月期~2021年3月期)で業績目標を達成できた一因として、M&Aで取得した精肉事業が売上高、利益ともに貢献したことが挙げられ、こうした成功事例を創出できるかどうかが中期経営計画達成のカギを握ることになりそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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