3. 事業セグメント
ブランディングテクノロジー<7067>は、「ブランド事業」「デジタルマーケティング事業」「オフショア関連事業」の3つの事業を展開している。売上高はデジタルマーケティング事業が、営業利益はブランド事業がそれぞれ50%以上を占めており、この2つが共に中核事業としての役割を担っている。また、近年はオフショア関連事業の売上高・利益構成比が上昇傾向にある。同社はセグメント・ユニット事業構造として、「ブランド事業」「デジタルマーケティング事業」「オフショア関連事業」の事業3セグメントを「中小・地方企業向けブランド×デジタルシフト」「医療業界向けブランド×デジタルシフト」「中堅・中小企業向けコンテンツマーケティング・メディア制作」「中堅・中小企業向けデジタルマーケティング支援」「沖縄ニアショア・地域振興」「ベトナムオフショア」の事業6ユニットに分け、効率化を図っている。
(1) ブランド事業
ブランド事業では、オウンドメディアの構築・運用、経営サポート、コンテンツマーケティング、歯科経営コンサルティングなどを行っており、同社独自の「ブランドファースト」のフレームワークを活用し、顧客の「ブランド」を明確にし、顧客が抱える収益拡大課題、人材・育成などの課題に対し、顧客に合わせたソリューションを提供している。事業ユニットは、「中小・地方企業向けブランド×デジタルシフト」「医療業界向けブランド×デジタルシフト」「中堅・中小企業向けコンテンツマーケティング・メディア制作」に区分される。
a) 中小・地方企業向けブランド×デジタルシフト」
業界ごとの勝ちパターンを構築し、地域内差別化やWeb集客の効率化、発信力強化など業界特有の課題解決に取り組んでいる。
b) 医療業界向けブランド×デジタルシフト
専門的な歯科・医療業界に特化して、地域内差別化やデジタルシフト、採用強化・業務効率化といった医院経営の課題解決に取り組んでいる。
c) 中堅・中小企業向けコンテンツマーケティング・メディア制作
企業ごとのブランド「らしさ」をコンテンツで表現している。様々なコンテンツ施策に対応できる社内の企画・編集/ライター/動画・Web制作チームによるコンテンツプロデュース体制と、社外に構築した専門性の高い独自のクリエイターネットワークに特長がある。
(2) デジタルマーケティング事業
デジタルマーケティング事業では、中堅・中小企業に対し、マーケティング戦略の設計、現状分析、戦略立案・実行、効果測定までワンストップで提供するなど、インターネット上の総合マーケティング支援を展開している。事業ユニットは「中堅・中小企業向けデジタルマーケティング支援」としている。同社はグーグル及びヤフーの認定パートナーであり、インターネット広告の代理販売や運用コンサルティングのほか、最新の広告テクノロジーを活用して広告効果を高めるとともに、継続的にPDCAを回すコンサルティングサービスも強化している。中堅・中小企業にはマーケティングに専門特化した責任者がいない場合が多いため、同社のフロント人材が顧客のマーケティング戦略を理解したうえで、現状分析から戦略立案・実行、効果測定までワンストップのマーケティングソリューションを提供している。さらに、プロモーション戦略を立案し、各種インターネット広告を活用することで顧客サイトのアクセス数を増やし、レポーティングによって課題を改善することで顧客の収益機会の拡大に貢献している。
(3) オフショア関連事業
オフショア関連事業では、連結子会社のアザナ及びVIETRYと連携して、Webサイトの制作や運用・開発などのソリューションを提供している。ITサービス業界では、ソフトウェア開発など労働集約的な要素が強い業務を、人件費が相対的に安い地方や海外にシフトする動きが目立つ。こうした動きは“ニアショア・オフショア戦略”などと呼ばれることもあるが、同社のオフショア関連事業はまさにこれに該当する。これにより、ブランド事業とデジタルマーケティング事業に対して、高品質なサービスをより低価格で提供することができる。加えて、この体制によって培ったノウハウを現地でサービス提供することにより、現地企業やアジアに事業所を持つ日系企業に対して、オウンドメディアの構築及び保守運用やデジタル領域における総合マーケティング支援も展開している。なお、オフショア関連事業の売上高は、ブランド事業やデジタルマーケティング事業からの社内受注と、外部顧客からの受注で成り立っている。近年は外部受注が着実に増加していることに加え、地域産業の振興にも貢献し始めるなど、注目すべき事業である。なお、事業ユニットは「沖縄ニアショア・地域振興」「ベトナムオフショア」に区分される。
(4) フリーランスネットワーク
同社は事業展開にフリーランスネットワークを活用している。企画・編集、ライター、動画・Web制作チームを擁する社内のコンテンツプロデュース体制と社内外の豊富なクリエイターネットワークにより、様々なコンテンツ表現が可能となっている。なお、2020年10月に設立された子会社の(株)ファングリーは、ブランド事業とシナジーのあるコンテンツマーケティング及びメディア運営に関する事業を行っている。特にコンテンツマーケティングにおいて、専門性の高いクリエイターに特化した社外のフリーランスネットワーク「hitch+(ヒッチプラス)」を独自に構築している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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