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2026/03/03 - 三菱重(7011) の関連ニュース。◆エヌビディア、文句なしの好決算でも株価が下落した理由 2月28日(現地時間)、懸念されていた米国とイスラエルによるイランへの攻撃が実施された。地政学リスクの高まりとともに原油価格が急騰し、米国の主要株価指数の先物は軒並み下落したが、その後、世界を驚かせたのは、30年以上にわたりイランを統治してきた最高指導者、ハメネイ師の死亡が確認されたことだ。トランプ米大統領やネタニヤフ・イスラエル首相にとっては大きな戦果に違いないが、このまま事態が終息するとは考えられず、イランにおける内戦勃発の可能性、中東周辺国への戦火の波及やホルムズ海峡閉鎖による世界経済への打撃なども懸念される。いずれにしてもしばらくは

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米国相場の三つの潮流、売られ過ぎのソフトウエア銘柄を狙え<大山季之の米国株マーケット・ビュー>

配信元:株探
投稿:2026/03/03 11:30

◆エヌビディア、文句なしの好決算でも株価が下落した理由

 2月28日(現地時間)、懸念されていた米国とイスラエルによるイランへの攻撃が実施された。地政学リスクの高まりとともに原油価格が急騰し、米国の主要株価指数の先物は軒並み下落したが、その後、世界を驚かせたのは、30年以上にわたりイランを統治してきた最高指導者、ハメネイ師の死亡が確認されたことだ。トランプ米大統領やネタニヤフ・イスラエル首相にとっては大きな戦果に違いないが、このまま事態が終息するとは考えられず、イランにおける内戦勃発の可能性、中東周辺国への戦火の波及やホルムズ海峡閉鎖による世界経済への打撃なども懸念される。いずれにしてもしばらくは、株式マーケットの方向性にも少なくない影響があると考え、今後の展開を注意深く見守るべきだろう。

 そうした国際情勢の急変はさておき、改めてこの1カ月間の米国株マーケットの動向を振り返ってみたい。まず先週、2月25日(現地時間)に発表されたエヌビディアの2026年1月期決算とマーケットの反応についてだ。決算内容自体は売上高が前年同期比約65%増の2159億ドル、営業利益が同約60%増の1303億ドル、最終利益も同約65%増の1200億ドルと、いずれもコンセンサスを上回る結果となり、27年第1四半期(2-4月期)の売上高のガイダンス(業績予想)も、市場予想の720億ドルを大幅に上回る780億ドル前後という見通しを示している。多くのメディアが伝える通り、文句なしの好決算だった。

 唯一、前年同期を下回ったのは営業利益率だが、これは前期の前半に出荷を見込んでいた中国向けのAI(人工知能)半導体、「H20」がトランプ政権の規制強化によって出荷できなくなった際の在庫評価損があったためで、第4四半期(25年11月-26年1月期)には改善している。予想以上だったのが粗利益(売上総利益)率の堅調さで、最新AI半導体「ブラックウェル」の市場導入コストによってある程度の低下が見込まれていたのだが、第4四半期は75.2%と極めて高い水準を維持。同社のジェンスン・フアンCEO(最高経営責任者)はその理由を問われ、需要が供給を上回る状態が続いているため、通常は新製品出荷時に計上する「在庫引当金」が大幅に減少しているという趣旨のコメントを出している。

 上記の利益率改善のほか、さらに注目すべき点は、決算発表後の質疑応答にあった。開口一番にバンク・オブ・アメリカのアナリストがぶつけた疑問に対するフアンCEOの回答だ。「今年7000億ドル規模となったハイパースケーラーの設備投資は持続可能だと思うか」。昨年来の"AIバブル論"の根底にもなっている、誰もが尋ねたい質問に対し、フアンCEOは「彼らのキャッシュフローの増加には自信を持っている」と断言した。その理由を説明した同CEOの発言を噛み砕くと、要は「自律して複数の膨大なタスクを実行できるエージェントAIが普及していく今後は、コンピューティングこそが収益の源になっていく。コンピューティングを強化する、つまりAI投資をすればするほど、指数関数的に収益機会が拡大していく」という趣旨だ。

 確かに、生成AIの性能が大幅に向上していることは誰しも認めるところだろう。循環投資と揶揄される同社を中心としたデータセンターへの巨額投資も、AIの性能が向上するとともにさらなる収益機会の拡大が進むと考えるなら、雪だるま式に投資額が膨れ上がるのも自然の摂理と言えるかもしれない。

 ではなぜ、この好決算にマーケットが素直に反応しなかったのか。そこには、いまの米国株マーケットを覆う、三つの大きな潮流の変化が影響している。これを読み解くことが、今後の米国株の投資戦略を構築するために、最も重要な意味を持つのではないか。

◆「脱ビッグテック」、「SaaSの死」、「HALO」、米市場で進む3つの大きな潮流変化

 一つ目の変化は、グローバルな投資資金のアロケーション(配分)の変化だ。米ブルームバーグによれば、モルガン・スタンレーが機関投資家の25年第4四半期(10-12月期)の保有銘柄を調査したところ、エヌビディアやアップル、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどのビッグテックの保有比率が、それらの銘柄のS&P500指数の構成比を大きくアンダーウェイトしているという。エヌビディアを例にすれば、同社のS&P500に占める構成比率は8%弱だが、モルガン・スタンレーの報告では、機関投資家の保有銘柄に占める比率は5%強に過ぎない。

 一方、オーバーウェイトしているのは、マイクロン・テクノロジーやサンディスク、テキサス・インスツルメンツ、ウエスタン・デジタルなどのロジックではない半導体メーカーや、ラム・リサーチ、KLAなどの半導体製造装置メーカーだ。代表的な機関投資家が、これまでAI相場をけん引してきたエヌビディアなどのビッグテックから距離を置いたポートフォリオを組んでいる。この現象は昨年の前半にも表れていたが、これによって大手の機関投資家は、インデックスを上回るパフォーマンスを上げることに成功している。

 そしてもう一つは、「SaaSの死」の言葉に象徴されるAI企業間での格差拡大と選別の流れだ。AIがすべてのハイテク企業に恩恵をもたらすと考えられていた相場はすでに過去のものとなり、1月から2月にかけての「アンソロピック・ショック」によってソフトウエア企業の株価は軒並み、総崩れとなっている。売られる理由がないのに下落している銘柄も少なくないが、S&P500はもとより、ソフトウエア企業の比率が高いナスダック総合指数もこの1カ月、低迷しており、反転の兆しは見えていない。AI関連企業に対する株式マーケットの疑念は依然として払拭されていないのだ。

 三つ目の要因は、ソフトウエア企業からハードウエア企業へと、投資の焦点が移っていることだ。いま、英フィナンシャル・タイムズ紙やゴールドマン・サックス・グループが提唱している「HALO(Heavy Assets Low Obsolescence)」という概念が注目されている。要するに、陳腐化することがない重厚な資産を有している企業を指す概念だが、過剰投資懸念が拭えないハイパースケーラーや、玉石混交のソフトウエア企業ではなく、AIでは決して置き換えることができないハードを提供している企業こそを投資対象とすべきという概念だ。

 代表的な事業やセクターを挙げれば、当面の需給ひっ迫が確実視されるメモリー半導体メーカー、AI半導体の増産効果が期待される半導体製造装置メーカー、そしてデータセンター建設に必要不可欠な電力やエネルギー関連の製品を手がけるメーカーだ。将来の帰結はともかくとして、マーケットはしばらくの間、継続することが確実なAI投資拡大の恩恵を受けるこれらの企業を、より堅実な投資対象として選んでいるのだ。

 もちろん、エヌビディアもAI半導体というハードを手がけるメーカーなのだが、すべてのAIムーブメントの起点となっている同社は、単なるハードウエア企業の範疇には収まらず、ハイパースケーラーやソフトウエアとの関わりがあまりにも深く、不透明感を拭うことができない。今回のエヌビディアの決算は、この大きな波を覆すほどのサプライズをもたらすものではなかった、というマーケットの解釈があったのではないだろうか。

◆セールスフォースははたしてAIで代替できるのか? SaaS企業でも勝者と敗者が

 ではそうした投資環境の変化の中で、具体的にどのような銘柄を選んでいくべきなのだろうか。まず、「アンソロピック・ショック」によって軒並み売られてしまった企業の中に、チャンスを見つけることが一策だ。例えば、「SaaSの死」という言葉とともに全面安となったソフトウエア企業の中には、売られても仕方のない企業と売られる必要のない企業が併存している。AIで置き換えることができる製品・サービスなのか、置き換えることができない製品・サービスなのか。冷静さを取り戻しつつある相場の中で、客観的に両者を峻別することが求められるはずだ。

 例えばアドビなどは、確かにいまの生成AIの画像生成能力を考えれば、素人がプロ並みの動画を作成することができ、このままでは置き換えられると考えても不思議ではない。IBMのように旧世代のプログラミング言語の改修を、多くの人員リソースを使って一手に手がけている企業も危ない。AIを活用すれば、より少ない人員リソースで同様のことができる可能性があるからだ。

 だが、セールスフォースはどうだろうか。言うまでもなく、同社の顧客は大手企業が中心で、扱っているのは膨大な個人情報の塊だ。いくらAIが進化したとしても、はたして企業の最も重要な機密データを、簡単に受け渡すことなどできるだろうか。おそらく企業はそうした決断をしない、と見るのが妥当ではないか。
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 同じく大きく売られているパランティア・テクノロジーズが扱っているのは、国の存亡と人命を左右する軍事データだ。先週来、米軍のAI利用規約を巡る米政府とアンソロピックの対立が話題を呼んでいるが、報道を見る限り、米軍はアンソロピックのAIを、パランティアのソフトウエアで制御しながら使っている。AIを利用することはあっても、ソフトウエアが不要になっているわけではない。

 また「アンソロピック・ショック」は純粋なソフトウエア企業だけでなく、さらに川下の情報サービス企業や、ゲームやアニメーションなどクリエイティブな業種の企業の株価も下押しした。だが、これまで長年の企業活動で培われた知的財産を凌ぐような創作物を作ることができるのだろうか。これも現実的ではないだろう。こうした視点で、売られる必要がないのに全体相場の流れの中で売られてしまっている企業は、他にも数多くあるはずだ。

◆AI投資の恩恵を受けつつ、"重厚で陳腐化しない"10の銘柄

 今後、「HALO」銘柄については、より盤石な投資対象となるだろう。すでに多くの投資家が気づき、関連銘柄の株価は上昇しているが、AI投資拡大の恩恵を受けつつも、決してAIに置き換えられることがない製品を持つ企業の優位は、しばらくは揺るがない。キーワードは「売り手市場」が常態化し、「完売御礼」が続いている企業だ。

 HBM(広帯域メモリー)大手のマイクロン・テクノロジーや、データセンター向けのハードディスクドライブの受注が殺到しているウエスタン・デジタル、ラム・リサーチやアプライド・マテリアルズ、KLAなどの半導体製造装置メーカーは最も分かりやすい例だろう。今後、本格化するAIデータセンターの建設ラッシュとともに、さらなる事業拡大の余地が大きい。

 データセンター関連で"重厚"な製品を提供している企業と言えば、米企業ではやはりキャタピラーとGEベルノバが双璧だろう。キャタピラーはディーゼルや天然ガス用の発電機、GEベルノバはゼネラル・エレクトリック時代から培ったジェットエンジン技術を活用したガスタービン発電機の売り上げが拡大の一途を辿っている。

 「米企業」ではと述べたが、今回はあえて、日本企業も取り上げてみたい。「HALO」銘柄への資金シフトは、国際分散投資の流れも生んでいる。半導体クラスターを形成する韓国や台湾市場が年初来、米主要株価指数をはるかに上回るパフォーマンスを上げているのは当然の帰結だ。もちろん、日本企業も例外ではない。筆頭格は、GEベルノバ同様に世界有数のジェットエンジン技術を持ち、ガスタービン発電機が絶好調の三菱重工業 <7011> 、そして冷却システムから原子力発電まで、データセンターの要所を押さえる製品群を持つ日立製作所 <6501> だ。

 私たち日本人からすれば、「今さら」な気がする企業かもしれないが、「HALO」というテーマで今後、本領を発揮する日本企業は、両社に限らず決して少なくないはずだ。独自技術の光ファイバーがハイパースケーラーから高い評価を受けているフジクラ <5803> などもその好例だろう。グローバルな投資マネーが、今後さらにこうした日本企業に着目していく可能性は高いはずだ。

 「SaaSの死」を乗り越えるソフトウエア企業と、AIがいかに進化しても強みを失うことのない企業。米国企業に限らず、この二つの視点で今後の銘柄選定を進めることが、投資成功のカギを握るのではないだろうか。


【著者】
大山季之(おおやま・のりゆき)
松井証券マーケットアナリスト 

1994年慶應義塾大学卒業後、国際証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社。2001年ゴールドマン・サックス証券、10年バークレイズ証券、12年から金融コンサルを経て現職に至る。これまで、機関投資家向け株式営業を中心に、上場企業へのファイナンス提案、自社株買い、金融商品組成などに関わる。現在は松井証券のマーケットアナリストとして、米国のマクロ経済分析や企業、セクターの分析等を行う。

株探ニュース
配信元: 株探

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