日経平均は大幅反発、買戻し優勢で一時3400円超の急騰
5日の米国株式市場は大幅続落。ダウ平均は1033.99ドル安(-2.60%)の38703.27ドル、ナスダックは576.08ポイント安(-3.43%)の16200.08、S&P500は160.23ポイント安(-3.00%)の5186.33で取引を終了した。弱い7月雇用統計を受けた景気後退入り懸念に伴う売りが継続し、寄り付き後、下落。加えて世界株安で投資家心理が急速に悪化し、手仕舞い売りも加速したと見られ、終日、売りが先行した。ハイテクも売られ、戻り鈍く終盤にかけ再び売りが加速し終了。
米国株は大幅安となったが、前日の東京市場で米株下落は織り込まれていたことから、東京市場は大幅反発で取引を開始した。多くの銘柄が買い気配スタートとなるなか、日経平均は上げ幅を一気に拡大。為替が1ドル144円台、長期金利の指標となる10年国債利回りは0.910%まで値を戻すなど、為替、金利市場が落ち着きを取り戻したこともあり、日経平均は一時34911.80円まで上昇した。前場のプライム市場の売買代金は3.8兆円台と前日同様、商いは盛り上がった。
日経平均採用銘柄では、第1四半期決算が評価されて日本製鋼所<5631>がストップ高買い気配となったほか、昨日年初来安値を更新したキーエンス<6861>もストップ高買い気配。このほか、キッコーマン<2801>、オリックス<8591>、東京海上<8766>、富士電機<6504>がストップ高。ルネサスエレクトロニクス<6723>、荏原製作所<6361>、東京エレクトロン<8035>、TDK<6762>、日東電工<6988>、レーザーテック<6920>が大幅反発となった。
一方、4-6月期純利益が市場予想に届かなかったことから味の素<2802>が下落したほか、ヤマトHD<9064>、JFEホールディングス<5411>、三井住友<8316>、コニカミノルタ<4902>が売られた。日経平均採用銘柄は5銘柄のみ下落した。
全業種が買われたなか、海運業、その他金融業、保険業、輸送用機器、ゴム製品の上昇が目立った。
いったんは売られ過ぎ是正の動きで買戻し優勢の地合いとなったが、日経平均VIは49ポイントとボラティリティはまだ高い。上下に振れやすい地合いは変わらないことから、後場急変動の可能性は意識しておきたい。このままの上げ幅を維持すれば、日経平均の過去最大の上昇幅(1990年10月2日の2676.55円)を上回ることとなる。それでも7月の史上最高値からの下落幅に対する3割戻し程度だ。今回のように一度壊れた市場が落ち着きを見せ、腰を据えた投資家の買いが再び入るには数カ月はかかるだろう。後場、上げ幅縮小を警戒しつつ、日経平均やTOPIX、グロース市場250指数など主だった指数がどこまで値を戻せるか注目したい。
<AK>
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