東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が796、値下がり銘柄数が790と拮抗し、変わらす銘柄は59だった。セクター別では、海運、保険、石油石炭、鉄鋼など23業種が上昇。一方、精密機器、陸運、非鉄金属、電気ガスなど10業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、KDDI<9433>、三菱商<8058>、トレンド<4704>が堅調だった半面、テルモ<4543>、レーザーテック<6920>、リクルートHD<6098>、第一三共<4568>が軟調だった。
6月28日の米国市場は主要3指標が下落した。5月のコアPCEデフレータが市場予想通りの結果となったことは安心材料となったものの、長期金利の上昇が警戒された。ただし、金利上昇などを背景に円安が進んでおり、ホンダ<7267>、デンソー<6902>、コマツ<6301>などの輸出株の一角が堅調だった。円安対策として、利上げへの思惑も根強く、国内長期金利が上昇するなか、銀行、保険、証券など金融株が買われた。そのほか、商社や海運株などのバリュー株にも投資資金が向かい、日経平均の上げ幅は一時350円を超えた。
6月の日銀短観で、大企業の製造業の景況感改善が示され、今月の金融政策決定会合での追加的な利上げに対する懸念はくすぶっている。このところ、金利上昇が金融株の押し上げ要因となっているが、金利上昇が日本経済全体への先行き懸念との見方に変われば、株価にはマイナスに働くだけに警戒したいところではある。先週は日経平均が一時1000円超上昇するなど短期的な過熱感が残っているほか、今週は米国で重要な経済指標の発表も控えており、積極的に上値を買い上がる流れにはつながりにくいだろう。そのため、しばらくは上値の重い展開が続く可能性がありそうだ。もっとも、下を売り込む流れにもならず、押し目待ち狙いの買い意欲は強いと考えられる。
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