日経平均は4日ぶりに反発、急落に対する反動先行も買いは続かず上値重い
3月31日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は417.86ドル高の42001.76ドル、ナスダックは23.70ポイント安の17299.29で取引を終了した。4月2日のトランプ政権による相互関税発表を控えた警戒感やロシア、ウクライナ停戦期待の後退に売られ、寄り付き後、下落。貿易摩擦が売り上げに響くとの懸念で、特にハイテクでの売りが加速し、ナスダックを押し下げた。その後、シカゴ購買部協会景気指数が予想外に上昇すると相場は下げ止まり、ダウは上昇に転じた。終盤にかけ、政府報道官が2日イベントでの発表の関税が国ベースになり、大統領がセクターごとの関税も時期は不透明だが公約していると述べると、さらに売りが後退。また、月末、期末に伴う「ドレッシング買い」も強まったと見られ、ダウは上昇し、終盤にかけ上げ幅を拡大。ナスダックも下げ幅を縮小し、終了した。
前日の急落に対する反動が先行して、日経平均は36000円台を回復してスタートした。為替は1ドル149円台後半と落ち着いた動きとなったが、36000円台より上を積極的に買う動きは限定的。買い一巡後の日経平均は、上げ幅を縮小し35800円水準でのもみ合いとなるなど、米景気への不透明感等が重しとなり目立った押し目買いは観測されず。前場のプライム市場の売買代金はわずか1.8兆円台に留まった。
日経平均採用銘柄では、NRI<4307>が上げ幅を拡大するなど強い動きとなったほか、鹿島建設<1812>、長谷工コーポレーション<1808>、大和ハウス<1925>など建設株が堅調。東京エレクトロン<8035>は一時23年10月以来となる20000円台割れとなる場面も見られたが、なんとか切り返した。このほか、第一三共<4568>、東レ<3402>、スクリーンHD<7735>、村田製作所<6981>、三井不動産<8801>などが買われた。
一方、海外市場で米半導体大手エヌビディアが一時24年9月以来の水準まで下落したことなどが嫌気されてアドバンテスト<6857>が下げ止まらず。昨日、日経平均採用銘柄で唯一上昇したニトリホールディングス<9843>が反落。フジクラ<5803>、住友電工<5802>など電線株もさえない。このほか、アルプスアルパイン<6770>、住友ファーマ<4506>、IHI<7013>、ふくおか<8354>、パナソニックホールディングス<6752>などが下落した。
業種別では、医薬品、その他製品、電気・ガス、鉱業、不動産などが上昇した一方、非鉄金属、精密機器、銀行の3セクターのみ下落した。
寄付き前に日本銀行が発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、景況感を示す景況判断指数(DI)が大企業・製造業で前回調査から2ポイント悪化し+12だったが、市場コンセンサス通りだったことで、市場への影響は限定的となった。次回4月30日―5月1日に開催される日銀金融政策決定会合での利上げ観測を刺激する内容とはならなかったが、物価見通しはオントラックであることから6月利上げの確度はやや高まったと考える。金利市場は目立った動きは観測されていないが、引き続き利上げ観測は日本株を抑える要因となろう。後場の東京市場は薄商いのなか、日経平均は前場終値水準でのもみ合いを想定するが、買いが入らないことから一時的には前日終値水準を下回る動きも見られそうだ。
<AK>
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