「パワー半導体」が4位、市場は急拡大途上で次世代商品にも脚光<注目テーマ>
1 生成AI
2 インバウンド
3 半導体
4 パワー半導体
5 人工知能
6 2023年のIPO
7 食品
8 TOPIXコア30
9 カジノ関連
10 総合商社
みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「パワー半導体」が4位となっている。
スマートフォンやパソコンの売れ行き不振を背景に半導体市況の低迷が取り沙汰されており、業界では年後半に回復色が強まることを見込んでいたものの、やや雲行きが怪しくなっている。供給過剰を解消するための在庫調整局面がしばらく続く可能性が高まっているが、これは主にデータを扱うメモリー分野の半導体が対象である。
半導体の中でも電子機器へ電力を供給したり、制御を行ったりする役割を担うパワー半導体は引き続き旺盛な需要を確保している。関連各社は我が世の春を謳歌し、今なお生産能力増強に動いている状況だ。にもかかわらず、株式市場で半導体セクターに強烈な逆風が吹いているように見えるのは、時価総額上位を占める半導体製造装置関連株の収益環境の厳しさがクローズアップされているためだ。世界的な脱炭素社会への取り組みと電気自動車(EV)シフト、更にデータセンター増設の流れが、パワー半導体需要を強く喚起しているのは間違いないところだが、パワー半導体の製造や検査装置については、償却済みの旧世代の装置で十分カバーできる。高集積化された先端半導体向け装置のように高付加価値商品への需要を喚起しないという点で、製造装置メーカーには期待するほど追い風とはならないという実情がある。
しかし、パワー半導体という括りで見た場合、市場は急拡大途上にあることは疑いがない。2035年のパワー半導体市場は世界ベースで13兆円超の規模が見込まれ、これは昨年実績と比較しておよそ5倍という高水準となる。付加価値商品に対する研究開発も進んでおり、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)、更に酸化ガリウム(Ga2O3)などを材料として活用した次世代パワー半導体に対する期待も大きい。
しかも日本はパワー半導体製造では世界上位に食い込むメーカーが目白押しとなっている。三菱電機<6503.T>や富士電機<6504.T>など大手重電メーカーのほか、車載マイコンで世界首位級のルネサスエレクトロニクス<6723.T>やカスタムLSIのトップメーカーであるローム<6963.T>が該当するが、これ以外にもトレックス・セミコンダクター<6616.T>、サンケン電気<6707.T>、タムラ製作所<6768.T>、新電元工業<6844.T>、三社電機製作所<6882.T>など関連有力株に位置付けられる銘柄は、折に触れマーケットの熱い視線を集めている。
出所:MINKABU PRESS
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