1. 2024年6月期第3四半期の業績動向
サイジニア<6031>の2024年6月期第3四半期は、売上高1,012百万円(前年同期比39.9%減)、営業利益82百万円(同7.9%増)、経常利益74百万円(同2.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失0百万円(前年同期は45百万円の利益)となり、損失を計上した第2四半期から、繁忙期の第4四半期へ向けて着実に利益を積み上げた。期初計画との比較では、売上高で2百万円の未達だったものの、営業利益で41百万円、経常利益で44百万円、親会社株主に帰属する四半期純損益で23百万円の超過達成となった。なお、ネット広告サービスの事業売却に伴って特別損失が発生した。
日本経済は、新型コロナウイルス感染症拡大からの社会経済活動の正常化が進んで、個人消費の持ち直しやインバウンド需要の回復が見られ、緩やかな景気回復が継続した。しかし、世界的な物価上昇や長期化するウクライナ情勢、中東情勢の緊迫化など世界経済の不確実性の高まりを受け、依然として先行き不透明な状況が続いている。一方、同社が関連するBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場及び及びBtoB-EC(企業間電子商取引)市場は拡大傾向を続け、引き続き商取引の電子化が進展した。このような環境下、同社はイベントへの参加などマーケティング活動に注力するとともに、ECサイトにおけるCX・DXソリューションの重要性についてメディアなどで発信を続け、同社製品・サービスの認知度向上を図った。
この結果、構造改革の一環として2023年7月1日にネット広告サービスをジーニー<6562>へ事業売却したことで減収となったが、クッキー規制やリテールメディアへの対応を進める企業が増加したこともあり、「ZETA CXシリーズ」が好調に推移した。利益面では、これまで続けた構造改革の成果によって売上総利益率が改善、成長へ向けて先行費用が発生したものの実額で2ケタを超える販管費の削減を行った。なお、期初計画との差異は、CX改善サービスが想定以上に好調に推移していること、ZETAへの経営資源集中を早めていることが要因である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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