■株式見通し:物色としては引き続き決算を手掛かりとした日替わり的な対応
■近鉄GHD、22/3黒字修正 営業利益35億円←▲50億円
■前場の注目材料:大林組、建設現場の熱中症対策で新事業、温湿度クラウド管理
■物色としては引き続き決算を手掛かりとした日替わり的な対応
10日の日本株市場は、売り先行で始まった後は、いったんはリバウンドを意識した展開が期待されそうだ。9日の米国市場はNYダウが653ドル安だった。米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策の正常化を目指し緩和解除を開始したため、投資家によるリスク資産を軽減する動きが継続。中国のコロナによる都市封鎖も継続しサプライチェーン混乱も継続、加えて、FRBの急速な利上げにより景気後退入りへの懸念も強まり、引けにかけては下げ幅を拡大した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比410円安の25980円。円相場は1ドル130円30銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好からギャップダウンから始まろう。日経平均は4月27日につけた直近安値26051.04円を下回ってくる可能性があり、もち合いレンジの下限を割り込んでくる展開が警戒される。ただし、節目の26000円割れとなれば、売り方にとってもいったんはショートカバーを入れるタイミングになる可能性があることから、売り一巡後は短期的にはリバウンドを意識した底堅さが見られる可能性はありそうだ。もっとも、明確な底入れ感は確認できていないことから、短期的な売買にとどまりやすく、戻り売りスタンスが多そうだ。
米国では主要な株価指数は揃って年初来安値を更新している。長期金利の上昇が警戒されるなか、11日には4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えているため、インフレ懸念が高まるようだと、一段の下落を警戒したセンチメントとなる。また、中国ではロックダウン解除の動きは見られず、これに伴うサプライヤー問題への警戒が高まっている状態だ。短期的にはショートカバーから底入れ期待も出てくる可能性はあるものの、積極的なリバウンドを狙った動きは考えづらいところ。
また、戻りの鈍さが意識され、直近安値を下回った水準が続くようだと、買い方のヘッジ対応が加速する動きも警戒しておきたいところであろう。物色としては引き続き決算を手掛かりとした日替わり的な対応となる。昨日は決算を受けて郵船<9101>が売られる一方で、川崎船<9107>が大きく買われるなど、セクター間でも明暗がはっきり出てきているため、より決算内容に神経質になるだろう。
なお、昨日の引け後の決算については、フクダ電子<6960>、MKシステム<3910>、Appier<4180>、加賀電子<8154>、KNTCT<9726>、キッツ<6498>、太平製作所<6342>、船井総研<9757>、ニーズウェル<3992>、コムチュア<3844>、バルテス<4442>辺りが注目される。
■近鉄GHD、22/3黒字修正 営業利益35億円←▲50億円
近鉄GHD<9041>は2022年3月期業績予想の修正を発表。営業損益は50億円の赤字から35億円の黒字に上方修正した。子会社であるKNT-CTホールディングスが3月23日および5月9日に公表した業績予想修正を反映したほか、各事業において更なるコスト削減に努めたことにより、営業利益以下の各段階利益が前回発表した予想を上回り、損益が改善する見込み。コンセンサス(30億円程度の赤字)を上回る。
■前場の注目材料
・米長期金利は低下
・米国景気の拡大
・コロナ流行下の経済活動正常化
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・大林組<1802>建設現場の熱中症対策で新事業、温湿度クラウド管理
・日本触媒<4114>50億円投じプラントのDX実証
・NTT<9432>海外事業統合、「データ」と共同出資会社
・ホンダ<7267>北米で「アキュラ」EV化推進、目標上回るペースで比率高める
・トヨタ<7203>インドで810億円投資、脱炭素化へ電動化加速
・冨士ダイス<6167>新冶金棟、生産能力5割増に
・三菱ケミHD<4188>バイオマス由来製品特許、欧当局が有効判断
・日本ゼオン<4205>タイでLiB用バインダー生産
・三井化学<4183>三井化学など、炭素繊維製造のエネ50%減、基盤技術確立
・大同特殊鋼<5471>特殊鋼鋼材・工具鋼製品を値上げ、原料高など転嫁
・ロート製薬<4527>台湾社に出資、ヘルスケアにデジタル活用
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:30 3月家計支出(前年比予想:-3.3%、2月:+1.1%)
<海外>
・特になし <ST>
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