■株式見通し:世界経済が減速するという懸念に対してG7の協調に期待
■前場の注目材料:伊藤園、3Q営業利益8.6%増、コンセンサス範囲内
■日産自、来年めど初PHVを欧投入、環境規制に対応
■世界経済が減速するという懸念に対してG7の協調に期待
3日の日本株市場は、底堅い相場展開が見込まれる。2日の米国市場では、NYダウが1293ドル高と大幅に反発、1日の上げ幅としては過去最大を記録した。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、各国中央銀行が市場の安定と経済成長の維持に向けた対策を講じるとの観測が高まった。また、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行が新型肺炎を巡る対応策で、3日に電話会談を開催することが報じられたことも、上げ幅を拡大させる一因となった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比255円高の21425円となり、高いところでは21590円まで上げ幅を拡大させた。円相場は1ドル108円40銭台と前日からは円安に振れて推移している。G7は緊急の電話会議を開く方向で調整を進めており、世界経済が減速するという懸念の高まりに対し各国が協調してどのような対応策を打ち出すのか注目されよう。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は2月28日、緊急の声明を発表して景気下支えに向けて追加の利下げの可能性を示唆したほか、日本では前日に、日銀の黒田総裁が異例の談話を出して、市場に潤沢に資金供給すると発表し、日米の中央銀行がそろって警戒感を示している。さらに昨日の日銀のETF買い入れも話題となっていた。
日銀のETF買い入れに関してはこれまでTOPIXの下落局面での買い入れる流れであったが、昨日は前引け段階で1%を超える上昇ながらも買い入れを実施している。さらに、金額ベースではこれまでの1.5倍程度を購入するなど、積極姿勢が窺えた。新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感は拭えないものの、目先的には日経平均の21000円割れで、いったんは底打ちが意識されやすいところである。
とはいえ、楽観的な見方から積極的に上値を買い上がる流れにはなりづらいところ。不要不急の外出を控える中で、経済への影響は目に見えて悪化している。企業の3月期末接近で積極的な動きは期待できない需給状況である。そのため、底堅さは意識されるものの、先物主導のインデックス売買の影響を大きく受けやすい面はある。
物色としては、インデックス主導による指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向のほか、前日に5%を超える上昇となったマザーズ指数へ短期筋の関心が集まりやすい。足元で大きく値を崩していた中小型株への下値拾いの動きが活発化しよう。
■伊藤園、3Q営業利益8.6%増、コンセンサス範囲内
伊藤園<2593>は第3四半期決算を発表。営業利益は前年同期比8.6%増の178.52億円だった。コンセンサス(176億円程度)の範囲内。主力のリーフ・ドリンク関連事業は、暖冬で温かい飲料が伸び悩んだ。半面、健康志向の高まりで「お~いお茶 濃い茶」などは好調だった。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(21344.08、+201.12)
・NYダウは上昇(26703.32、+1293.96)
・ナスダック総合指数は上昇(8952.17、+384.80)
・シカゴ日経225先物は上昇(21425、大阪比+255)
・1ドル108円30-40銭
・SOX指数は上昇(1765.38、+59.84)
・VIX指数は低下(33.42、-6.69)
・米原油先物は上昇(46.75、+1.99)
・新型肺炎で追加金融緩和期待
・日銀のETF購入
・株安局面での自社株買い
・来期の業績回復期待
・日産自<7201>来年めど初PHVを欧投入、環境規制に対応
・椿本チエイン<6371>AI画像認識で仕分け、物流倉庫に提案
・古河電工<5801>3年連続で米革新企業に選出
・NEC<6701>マベニアとローカル5Gで協業
・ローム<6963>次世代車向けアンプICを開発
・テルモ<4543>心臓カテーテル関連の臨床試験、来年解析結果発表
・三洋化成<4471>福井に電池新工場、定置用リチウムを来秋量産
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 2月マネタリーベース(1月:前年比+2.9%)
<海外>
・09:30 豪・10-12月期経常収支(予想:+24億豪ドル、7-9月期:+79億豪ドル)
<SF>
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