東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が900を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、海運、石油石炭、金属製品、その他製品、鉱業など27業種が上昇。一方、パルプ紙、輸送用機器、その他金融など6業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ダイキン<6367>、コナミG<9766>、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>が堅調だった半面、スクリン<7735>、TDK<6762>、東エレク<8035>、トヨタ<7203>が軟調だった。
前日の米国市場は、新規失業保険申請件数が市場予想よりも大きく悪化したことから、年後半の利下げ観測が再燃し、主要株価指数は上伸した。これが支援材料となり、東京市場もリスク選好ムードが強まり、日経平均の上げ幅は一時600円を超えた。また、前日に市場予想を上回る好決算を発表したダイキンが上伸したほか、自社株買いや増配を発表したコスモエネHD<5021>など個別に好材料のある銘柄にも投資資金がシフトした。一方、市場予想を下回る決算を発表したスクリンや富士フイルム<4901>、西武HD<9024>などが急落した。
企業決算が大詰めを迎えるなか、好業績を手掛かりにした個別物色が中心だが、関係者からは「企業決算は総じて堅調だが、市場の期待値が高いだけに、全般には物足りないと感じる投資家が多い」との見方から積極的に上値を買い上がる雰囲気にはつながっていないようだ。このため、日経平均が39000円を抜けてくるには、再び海外投資家の買い出動が必要だろう。来週には米国で4月のCPIの発表を控える。インフレ沈静化が鮮明になり、年後半での利下げ観測が強まれば、米国株高を通じて日本株にも投資マネーが向かってくるとみられる。
<CS>
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