個別では、JTOWER<4485>が週間で66.1%高となり、マザーズ時価総額4位に浮上。大規模な通信鉄塔取得を発表し、成長期待が再燃した。ビジョナル<4194>は同11.5%高、フリー<4478>は同4.3%高となった。売買代金上位ではエッジテクノロジー<4268>やHENNGE<4475>が大きく上昇。また、JTOWERやKaizen Platform<4170>が週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。一方、メルカリ<4385>は同2.2%安と軟調。証券各社の目標株価引き下げが相次ぎ観測された。信用取引規制が強化されたグローバルウェイ<3936>も売りに押され、主要取引先のサービス停止が嫌気されたENECHANGE<4169>は下落率トップとなった。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同3.1%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同2.8%安と軟調。売買代金上位ではウエストHD<1407>が売り優勢となり、出前館<2484>などが週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。一方、東映アニメーション<4816>は同2.5%高と堅調で、プラコー<6347>が上昇率トップとなった。IPOではマザーズに2社、東証2部に1社が新規上場。いずれも初値は大方の想定より伸び悩んだが、その後の株価は好調だった。
来週の新興市場では、目先リバウンドが続くとみておきたい。米個人投資家向け調査では「弱気」意見が後退し、やはり中小型グロース株に買いが向かっている。こうした事情は日本でも同様とみられ、JTOWERの人気化が呼び水となってマザーズの売買代金が膨らんでいるのも大きい。一方、米長期金利が見た目伸び悩んでいるのに反し、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利のマイナス幅はかなり縮小してきた。米連邦準備理事会(FRB)のインフレ抑制姿勢が背景にあり、米金融引き締めによる波乱の芽は残るとみておいた方がよいだろう。なお、4月4日から東証新市場「グロース」が465銘柄(外国株含む)でスタートする。
市場全体の売買代金が膨らみ、実態面の評価がなお高いビジョナルやウェルスナビ<7342>などもJTOWERに続く形で見直しの流れとなることに期待したい。今週上場のギックス<9219>などは引き続き需給重視の投資家の物色が活発となりそうだ。
IPO関連では、4月4日にセカンドサイトアナリティカ<5028>が東証グロースへ、7日にエフビー介護サービス<9220>が東証スタンダードへそれぞれ新規上場する。セカンドサイトはアナリティクスコンサルティングやAI(人工知能)製品を、エフビー介護は各種介護サービスを手掛ける。東証新市場でのIPO第1号となり、足元の新興株高の流れも追い風にご祝儀ムードが広がっているようだ。
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