「2025巳年の注目株、年前半の勝負に」
新年の日経平均株価は、昨年7月高値の4万2426円を捉えて史上最高値を更新する場面もあると見ている。ただし「辰巳天井」という格言もあり、年後半は調整に転じるシナリオもある。全般相場も個別株も、今年は年前半の勝負となりそうだ。
いまの東京市場の特徴として、①投資マネーはETF(上場投資信託)などファンドに集中、②ファンドを通じてマネーは日経平均株価(日経225)やJPX日経400採用の大型主力株に流れやすい、③外国人投資家と先物の動向に日経平均株価が左右されやすい、④日経平均株価は 半導体株のウェートが大きく、米国のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)に連動しやすい――などが挙げられる。個別株投資ではこれらの特徴を頭に入れて対応することになる。
さて、前回は2025新年の全般相場について展望したが、今回はチャート妙味がある注目株を紹介しておきたい。節を抜いてチャート好転を確認した銘柄の押し目狙い、あるいは安値圏で値固め十分のものを待ち伏せる作戦だ。待ち伏せでは動き出すのに時間がかかるかもしれないが、中期方針でリターンを求めるものであり、投資の基本とも言える。(時価は1月10日現在)
【節を突破した主力株】
◆レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P] 時価4038円
総合化学大手で半導体・電子材料がAI(人工知能)半導体向けに好調。2024年12月期は業績の回復が鮮明で、24年4月、8月、11月と3回にわたり連結営業利益の見通しを上方修正している。第3四半期累計(1-9月)の最終利益は507億円に達し、通期計画の320億円を大きく超過した。続く25年12月期も増収増益が期待される。
株価は24年12月5日に4257円まで上昇して、3900円台のチャートの節を突破、新たな領域に突入した。月足チャートでは20年の1603円、22年の1807円で大勢ダブル底を形成して浮上し、18年高値の6470円を目指す流れに入った。節を抜いた後の押し目は好機となろう。
◆三菱電機 <6503> [東証P] 時価2570.5円
2024年12月4日に米軍が「在日米宇宙軍」を発足させた。日本政府も防衛・宇宙関連の予算を増額させている。同社の25年3月期第2四半期累計(4-9月)の防衛・宇宙関連部門の売上高は前年同期比34%増の1359億円に拡大。地政学リスクの高まりが長期化する中で、同社は防衛関連として注目される公算が大きい。空調・家電の利益率が改善、今期は売上高・営業利益ともに連続で過去最高更新を見込む。EPS(1株当たり利益)は151.8円、配当は年50円を計画。
株価は23年1月から長期上昇トレンドに乗り、昨年5月に上場来高値2942.5円をつけ、18年高値の2179円を突破。その後、8月に1867円まで急落するも、週足や月足チャートは上昇基調を維持。11月に2826.5円まで戻して現在2600円前後で踊り場を形成しており、今年は3000円台乗せが期待される。
◆ソニーグループ <6758> [東証P] 時価3235円
映画、ゲーム、音楽、金融、半導体と事業は多岐にわたり、先端半導体の国産化を目指すラピダスや台湾積体電路製造(TSMC)
9月末の株主を対象に1対5の株式分割を実施し、株価は1万4000円台(分割修正前)から2800円台となり手掛けやすくなった。12月12日に3479円を付けて上場来高値を更新。チャートは3100円近辺の節を上抜き、青天井入りした。3200円前後の押し目を狙いたい。
◆キヤノン <7751> [東証P] 時価4970円
株価は2010年から長らく節となっていた4500円台を昨年8月に突破し、12月の5274円まで上値を伸ばした。8月以降の株価はジリ高基調の推移でありチャートに過熱感はなく、上放れの準備が整う。動き出せば07年にマークした上場来高値7450円を目指すと思われる。
為替変動を背景に10月に業績見通しを下方修正したが、それでも24年12月期の連結営業利益は前期比21.3%増の4555億円、EPSは344.3円を見込む。続く25年12月期も収益続伸が期待される。時価はPER14.4倍、配当利回りは3.02%(年150円配)。プリンター、カメラ、半導体、ペロブスカイト太陽電池関連など材料に不足なし。
【マークしたい安値圏妙味株など】
◆NTT<9432> 東P 時価153.7円
次世代通信を支えるICTインフラ構想「IOWN」を掲げる同社を、昨年正月配信の当欄で注目株に挙げたが結果は失敗。株価は2024年1月高値の192.9円から8月安値の142.5円まで下げるなど軟調相場を1年続けてしまった。新NISA(少額投資非課税制度)の購入トップ銘柄でありながら、5月に発表した決算では25年3月期の連結経常利益は前期比13.2%減の1兆7200億円の見通しとなり投資家の期待を裏切ったほか、自民党の混乱で同社事業を規制するNTT法の廃止が見送られるなどマイナス要因が相次いで浮上。加えて、23年7月実施の1対25の株式分割に伴う株数増で見切り売りが五月雨のように続いた。
ただし、年5.2円配は予定通り実施する計画で、14期連続での増配となる。膨大な含み資産(保有地)を有する日本トップの通信企業であり、「IOWN」の実証試験も進展中。チャートは24年に140円台で三点安値を付けており、7月高値の161.7円を上回ると「逆三尊」を確定させて改めて200円台を目指すと思われる。待ち伏せ妙味大。
◆ローツェ <6323> [東証P] 時価1620円
2024年10月30日の2382円を直近の戻り高値として、12月下旬の1480円まで株価はジリ安基調が続く。株価軟調の背景は半導体関連株が冴えないこともあるが、昨年8月末実施の1対10の株式分割で、株式数増加に伴う分散売りが出ていることが大きい。だが、半導体や液晶製造装置向けにウエハー搬送装置が国内外で好調。25年2月期は2期ぶりに売上高、各利益項目がともに過去最高を更新する見込み。
チャートはRCI(順位相関指数)が底値を示唆し、PERは11.6倍と割安感がある。下げ止まって上昇に転じれば、10月高値の2382円、そして7月につけた上場来高値3530円を目指すことになろう。
◆新日本理化 <4406> [東証S] 時価190円
事業構造の転換に取り組み、2025年3月期は工業向け天然アルコールや食品・医薬品向け添加剤の好調を背景に、最終利益は前期比2.7倍の6億円の見通しと復調。EPSは16.1円、年3円配を計画。
株価は170円~210円の安値圏で停滞しているが、長期チャートは21年9月の上場来高値476円からおよそ3年半調整し、24年4月に167円、8月に168円でダブル底を打つなど下値固めは十分。7月高値の226円を抜くと、400円台を目指して上昇に弾みを付けやすくなる。待ち伏せ妙味大とみる。
◆東証改革「新TOPIXルール」で注目したい2社
日本取引所グループは TOPIX(東証株価指数)の見直し案として、今年1月に構成銘柄を1700程度に絞り、26年10月から定期的に構成銘柄を入れ替える。その際にスタンダード市場やグロース市場に上場する銘柄を対象に加える予定だ。その対象になると思われる銘柄が折に触れ物色されることになる。その観点で業績好調の東証スタンダード上場の東映アニメーション <4816>のほか、東証グロースのライフネット生命保険 <7157> <7157> に中期的に注目したい。
(1月7日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース
この銘柄の最新ニュース
ローツェのニュース一覧- 2025年2月期 第3四半期決算説明資料 2025/01/10
- 2025年2月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 2025/01/10
- ローツェ、9-11月期(3Q)経常は17%減益 2025/01/10
- 日経平均は350円安、企業決算や米雇用統計に関心 2025/01/10
- 10日の主なマーケットイベント 2025/01/10
マーケットニュース
おすすめ条件でスクリーニング
ローツェの取引履歴を振り返りませんか?
ローツェの株を取引したことがありますか?みんかぶアセットプランナーに取引口座を連携すると売買履歴をチャート上にプロットし、自分の取引を視覚的に確認することができます。
アセットプランナーの取引履歴機能とは※アセプラを初めてご利用の場合は会員登録からお手続き下さい。