~医薬品製剤用の機械で世界の先端を走り、高採算の医薬品添加剤も拡大~
【ポイント】
・ジェネリックメーカーで設備増強の動きが強まっている。品質不正問題の影響で、供給責任を巡り、設備の更新・新設が、当社の製剤機械の受注に結びつきそうである。今期後半から来期にかけて、受注への上乗せが期待できる。業績の上方修正も見込めよう。
・昨年は2つの重要な戦略を遂行した。1つは、11月にイタリアのCos.Mec(コスメック)社を買収した。当社と重複しない製剤機械を有し、当社とは別の途上国市場に強いので、今後のグローバル展開に日米欧の三極の製造拠点をベースに立ち向かえよう。
・もう1つは、12月に上海に合弁で技術開発研究所(上海FCセンター)を設置する契約を締結した。中国の医薬品市場は政府の政策もあり、品質の向上に取り組んでいる。有力代理店と組んで、製剤機械と医薬品添加剤のラボを立ち上げる。今年度末に稼働する方向にある。浜松、アイオワ、ミラノに続く有望市場での拠点となる。中国向け輸出は既に拡大をみせているので、今後への期待は大きい。
・製剤機械の受注が好転している。コロナが落ち着けば、来期はさらに増加しよう。もう一つの主力分野である医薬品添加剤は、前期はやや調整がみられたが、基本的には順調に伸びている。輸出面では、中国向けが期待できる。また、リチウムイオン電池市場は車用に高い成長が期待できる。同時に固体電池の技術革新も進もう。それらに向けて、ユーザーニーズを先取りした画期的な新製品、グローバルな市場開拓を進めている。
・今回の中期計画では、2023年2月期に売上高201億円、営業利益14.6億円を目指す。3年目の来期はこの目標を上回る公算も高まりつつある。過去最高の業績は、2017年2月期の売上高211億円、営業利益20億円であった。
・中長期のビジョンとしては、日米伊中印での5極体制で新市場の開拓を進め、2030年に向けて売上高300億円、営業利益30億円以上、海外売上比率50%、ROE10%以上、というのが1つの目標になろう。これが目指せる体制を整えつつある。収益力の回復局面にあり、株価は割安である。まずはPBRで1.5倍を目指す方向にあろう。
目 次
1.特色 医薬品用製剤機械の独自開発で発展
2.強み 日本では圧倒的No.1、世界でも3強の1社
3.中期経営計画 M&Aや合弁の展開で海外市場の拡大が進展
4.当面の業績 来2023年2月期は大幅増益へ
5.企業評価 新市場の開拓に期待
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2021年7月21日) |
807円 |
時価総額 | 148億円 (18.4百万株) |
PBR | 0.98倍 |
ROE | 5.7% |
PER | 17.1倍 |
配当利回り | 2.5% |
総資産 | 20000百万円 |
純資産 | 13830百万円 |
自己資本比率 | 69.2% |
BPS | 826.0円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2013.2 | 16396 | 1470 | 1618 | 765 | 44.4 | 10.0 |
2014.2 | 17616 | 1286 | 1341 | 787 | 45.7 | 12.5 |
2015.2 | 17424 | 1150 | 1249 | 695 | 40.4 | 15.0 |
2016.2 | 19027 | 1346 | 1394 | 961 | 55.7 | 12.5 |
2017.2 | 21164 | 2041 | 2097 | 1064 | 61.7 | 20.0 |
2018.2 | 19801 | 1971 | 1994 | 1477 | 85.7 | 20.0 |
2019.2 | 18408 | 1223 | 1326 | 843 | 50.2 | 20.0 |
2020.2 | 16772 | 558 | 582 | 381 | 22.8 | 20.0 |
2021.2 | 16765 | 1147 | 1344 | 995 | 59.5 | 20.0 |
2022.2(予) | 18500 | 1100 | 1130 | 790 | 47.2 | 20.0 |
2023.2(予) | 20400 | 1500 | 1500 | 1030 | 61.5 | 20.0 |
(2021.5ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2009年6月に1:2、2016年2月に1:2の株式分割を実施。EPS、配当は修正ベース。2015.2期の配当は50周年記念配2.5円(修正ベース)、2017.2期の配当は上場20周年記念配5.0円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/furoinntosanngyou202107.pdf
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