サトーＨＤ、今期最終を一転赤字に下方修正

　サトーホールディングス <6287> が3月6日大引け後(18:00)に業績修正を発表。20年3月期の連結最終損益を従来予想の50億円の黒字→20億円の赤字(前期は37.7億円の黒字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなった。

　会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の連結最終損益も従来予想の21.2億円の黒字→48.8億円の赤字(前年同期は18.5億円の黒字)に減額し、一転して赤字計算になる。

株探ニュース

会社側からの【修正の理由】
　１.特別損失の内容当社は、2016年12月にDataLase Ltd.（英国チェシャー州、以下DL社）の株式100％を取得し、子会社化いたしました。これは中期経営計画に掲げる「新ドメインビジネスの開拓」を達成する次の事業の柱として、感熱顔料を用いラベルを使わず対象物に直接印刷を行うインラインデジタルプリンティング（以下IDP）事業を加速し、当社の将来の基幹技術とすることを目指したものでありました。その後、技術開発努力を継続し、顧客への拡販に努めてまいりましたが、技術的な課題が残り事業化時期が大幅に遅れることが避けられず、業績見通しが当初策定した計画を大幅に下回っております。以上の状況から、DL社株式取得時に発生したのれん等の固定資産について、将来の回収可能性を慎重に検討した結果、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき減損処理を行い、2020年３月期第４四半期連結会計期間において減損損失（特別損失）を計上することとなりました。連結決算および個別決算への影響額は以下のとおりです。・連結決算への影響のれんを含む固定資産の減損損失約65億円を特別損失に計上する予定です。・個別決算への影響当社の保有するDL社の株式に係る減損損失約102億円を特別損失に計上する予定です。本件は連結決算においては資本取引にあたり相殺消去されるため、連結業績に与える影響はありません。２.業績予想修正の理由当連結会計年度の業績につきましては、第４四半期以降、新型コロナウイルス感染拡大による社会経済の停滞の影響もあり、売上高、営業利益、経常利益ともに予想以上の影響が避けられない見込みです。加えて、親会社株主に帰属する当期純利益は上記特別損失の影響により－2,000百万円となる見込みであります。３.配当予想について期末配当予想につきましては、今回の業績修正に伴う変更はなく、前回発表予想（期末　1株当たり37円）から変更はございません。４.役員報酬の減額について今般の特別損失の計上及びこれに伴う通期連結業績予想の修正の内容を真摯に受け止め、経営責任を明確にするため、以下の通り役員報酬の減額を実施いたします。・役員報酬の減額内容代表取締役社長兼CEO 酬月額の　50％取締役上席執行役員CFO 報酬月額の　30％・対象期間2020年４月より６月までの３ヵ月間（注）業績予想につきましては、現時点で当社が入手可能な情報に基づいており、実際の数値は今後様々な要因により予想数値と大きく異なる可能性があります。