―「半導体製造装置」「再生エネ」「EV」「アフターコロナ」に妙味膨らむ―
2021年の株式市場は7月から後半戦に突入した。2月には日経平均株価が30年半ぶりに3万円台を回復したが、その後は高値波乱状態。足もとでは2万7000円台へと調整している。米国のテーパリング(量的緩和縮小)に向けての警戒感や新型コロナウイルスの感染再拡大懸念が、相場の警戒要因となっている。しかし、新型コロナワクチン接種の効果による経済回復が期待でき、世界景気は成長基調をたどるとの期待は強い。年後半相場の牽引役を果たすのは、「半導体製造装置 」「再生可能エネルギー」「電気自動車(EV)」「アフターコロナ 」の主力4テーマだ。そこで各テーマのポイントと注目3銘柄を紹介する。第1回は「半導体製造装置」を取り上げる。
(1)【半導体製造装置】
デジタル革命の屋台骨を担う、設備増強ニーズ加速へ
世界的にAI・IoT時代が本格的に到来するなか、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資が加速している。そのデジタル革命をハード面から支えているのが半導体であり、強烈な需要の増加で足もと生産が追いつかない状況にある。自動車の生産調整の動きもこの半導体不足によるものだ。大手半導体メーカーの生産増強に向けた設備投資は今後加速していくことが必至で、半導体製造装置関連は株式市場でも一段と脚光を浴びることになる。
●ワイエイシイホールディングス <6298> ~レーザー関連子会社にも脚光
半導体関連装置をはじめとするメカトロニクス関連分野やプラズマエッチング・ドライエッチングなどディスプレー関連分野で実力を発揮する。ハードディスク研磨技術は業界トップクラス。有力子会社で脇を固め、世界的にパワー半導体需要が拡大基調を強めるなか、レーザー技術のスペシャリスト集団である子会社ワイエイシイビームがパワー半導体素子用レーザアニーラを製造しており、マーケットの注目を集めている。22年3月期営業利益は前期比倍増へ。
●マルマエ <6264> ~TSMCなどの需要獲得で注目
半導体製造装置向けに真空パーツや高精度パーツなど精密部品加工を展開する。世界的な半導体不足で大手メーカーの生産設備増強の動きが活発だが、そのなか同社は、半導体受託生産世界最大手で巨額の設備投資を計画する台湾のTSMCを国内大手メーカーを経由して主要顧客に抱えている点は強みとなる。業績は急拡大途上で20年8月期の営業81%増益に続き、21年8月期も38%増益と大幅な伸びを見込む。M&A戦略にも積極的で買収による業容拡大の思惑も内包している。
●浜井産業 <6131> [東証2]~次世代パワー半導体加工で出番
ラップ盤やポリッシ盤に代表される精密工作機械メーカーであり、半導体・光学デバイス加工用で高い実績を持つ。次世代パワー半導体として注目されるSiC製デバイスや窒化アルミニウム製デバイス加工用設備の潜在的需要は高水準で今後の収益の伸びに反映される公算大。株主還元にも意欲的で直近では発行株数の7%強を上限とする自社株買いを発表している。22年3月期営業利益は前期比横ばい見通しながら、23年3月期以降の中期成長力に期待。
株探ニュース
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