東証プライム市場の騰落銘柄数は、値下がり銘柄数が1000に迫り、全体の6割超を占めた。セクター別では、非鉄金属、水産農林、保険、証券商品先物、銀行など14業種が上昇。一方、ゴム製品、精密機器、パルプ紙、化学など19業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、フジクラ<5803>、リクルートHD<6098>、東京海上<8766>、ソニーG<6758>が堅調だった半面、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、信越化<4063>、KDDI<9433>が軟調だった。
前日の米国市場でAI関連株などが売られ、東京市場にも波及した格好だったが、週初の高市トレードの初動で売られた銀行や保険など金融セクターに買い戻しの動きがみられており、リバランス中心の相場展開になったとみられる。後場に入ると、立憲民主党の安住淳幹事長が15日に予定される首相指名選挙を巡り、「国民民主党の玉木雄一郎代表が野党の統一候補になりうる」との考えを示したことが伝わった。国内政局の先行きに対する警戒感が投資家心理を萎縮させたとの見方もされていた。
日経平均は反落したものの、このところの上昇幅からみれば当然の下げで、先高期待感は崩れていないだろう。ただ、期待先行で株価は上昇してきただけに、ここからさらに上値を目指すには、新政権による経済対策の進展や市場の期待に応えた27年3月期業績への期待が高まることが必要だろう。目先は短期的な相場の過熱感を解消しながら、新たな材料待ちの状況といえそうだ。
<CS>
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