東京株式（大引け）＝１５１円高、米株高、円安を背景にリスク選好の流れ

　週明け１０日の東京株式市場は買い優勢の地合い。前週末の米国株高や円安が進行したことが好感され、日経平均株価は３日ぶりに２万円台を回復して引けた。

　大引けの日経平均株価は前週末比１５１円８９銭高の２万８０円９８銭と３日ぶり反発。東証１部の売買高概算は１５億４０２５万株、売買代金概算は２兆９９２億８０００万円。値上がり銘柄数は１４１１、対して値下がり銘柄数は４６９、変わらずは１４０銘柄だった。

　きょうの東京市場は前日の米国株市場でＮＹダウ、ナスダック指数ともに高く、外国為替市場では１ドル＝１１４円台前半と円安に振れたことで投資家心理が改善、主力輸出株中心に幅広く買いが入った。６月の米雇用統計は雇用数の増加幅が市場予測を上回るなど米国経済の強さが確認され、ＦＲＢによる金融政策の正常化（金利の引き上げ）が順調に進む環境が整ったとの見方が、リスクオンの流れにつながった。日米金利差拡大を背景としたドル買いの動きもフォローの風となっている。もっともヘッジファンドなど短期筋の買いが主導したとの指摘もある。東証１部全体の７０％の銘柄が上昇したが、取引終盤は上値が重くなった。売買代金は２兆円をかろうじて上回ったものの、前場段階では１兆円を下回るなど市場エネルギー不足も印象づける。

　個別では、任天堂<7974.T>がきょうも断トツの売買代金をこなすなか１３００円超の上昇をみせた。キヤノン<7751.T>、ソニー<6758.T>なども高い。エスクロー・エージェント・ジャパン<6093.T>がストップ高に買われたほか、クリーク・アンド・リバー社<4763.T>、ＫＬａｂ<3656.T>が値を飛ばした。ユニデンホールディングス<6815.T>も物色人気に。フォーカスシステムズ<4662.T>も大幅高に買われた。

　半面、ＫＤＤＩ<9433.T>が軟調、電通<4324.T>も値を下げた。ワキタ<8125.T>、ＴＯＫＹＯ　ＢＡＳＥ<3415.T>が大幅安、トランザクション<7818.T>の下げも目立った。オンワードホールディングス<8016.T>が下落したほか、サンデンホールディングス<6444.T>も売りに押された。トーヨーカネツ<6369.T>が利食われ、東芝<6502.T>は下値を探る展開に。

出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）