個別では、マザーズ時価総額上位のフリー<4478>が週間で2.2%安、BASE<4477>が同3.6%安となった。売買代金上位では直近IPO銘柄のcoly<4175>などが売り優勢。また、QDレーザ<6613>やイグニス<3689>は短期的な過熱感もあって下げがきつく、週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。一方、メルカリ<4385>は同1.2%高、ラクス<3923>は同2.5%高、JMDC<4483>は同2.5%高となり、時価総額上位も軒並み下落というわけではなかった。メルカリは中国での越境販売開始を発表し、急伸する場面があった。また、先月下旬から動意づいているINCLUSIVE<7078>が上昇率トップだった。ジャスダック主力は、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同4.8%安、日本マクドナルドHD<2702>が同3.2%安、ワークマン<7564>が同4.8%安となるなど全般軟調。マクドナルドやワークマンは2月既存店売上の鈍化を受けて売りが出た。また、前の週に上場したアピリッツ<4174>は初値高の反動がきつく、シンバイオ製薬<4582>は米社からライセンス取得した抗ウイルス薬を巡るリリースが嫌気され、週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。一方、セリア<2782>は同3.4%高と堅調で、直近上場の室町ケミカル<4885>も買い優勢。また、新報国製鉄<5542>が上昇率トップとなった。
来週の新興市場では、マザーズ指数の下げ止まりに期待したいところだが、本格的なリバウンドに転じるのはまだ先となりそうだ。今週末の米国市場では、2月雇用統計が予想以上に強い数値だったことから、長期金利は一時1.6%台まで上昇。ただ、その後伸び悩み、ナスダック総合指数は長い下ひげを付けて切り返した。日本でもひとまず新興成長株の反発に期待する向きが出てくる可能性がある。一方、来週も米国債入札など警戒されるイベントがあり、落ち着きを取り戻すまでには至らなそうだ。
こうしたなか、海外機関投資家が取引参加しているマザーズ主力銘柄は比較的底堅い値動きとなっており、指数の支えとなることに期待したい。ラクスなどは外資系証券の買い推奨が観測されている。また、来週は3月10日にアクシージア<4936>、11日にステムリム<4599>、Macbee Planet<7095>、12日にカラダノート<4014>、スマレジ<4431>、イトクロ<6049>などが決算発表を予定している。
IPO関連では、今週に続き新規上場予定こそないものの、i-plug<4177>やココナラ<4176>といった3月中旬以降の上場案件のブックビルディング(BB)が進行中。来週から新たにベビーカレンダー<7363>、イー・ロジット<9327>などがBB期間に入る。また、今週はオキサイド<6521>(4月5日、マザーズ)など6社の新規上場が発表されている。
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