今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が+2.51%だったのに対して、グロース市場指数は-1.50%、グロース市場250指数は-1.39%とグロース市場の弱さが目立った。プライム市場同様、週初は米国株上昇を材料とした買いが入ったものの、円安ドル高推移などにより大型株物色が優勢となったことで、買い一巡後は上値の重い展開となった。売買代金は1000億円前後にとどまり参加者は限定的で、グロース市場指数、グロース市場250指数ともに、7日につけた高値を一度も上回ることなく、週末にかけてはじり安の展開となった。
時価総額上位銘柄では、2日に上場来高値を更新したGENDA<9166>が3日以降売りに押され、今週は4日続落した。円安ドル高推移が重しとなり、アドベンチャー<6030>もさえない。一方、特段の買い材料は観測されていないが、フリー<4478>の上昇が目立ったほか、8日に上場来安値をつけたタイミー<215A>が下げ渋る動きを見せた。このほか、グローバルウェイ<3936>が連日急騰したが、週末は利益確定売りが入り急落するなど荒い値動きとなった。なお、8日に名証ネクストに上場したケイ・ウノ<259A>の初値は、公開価格を8.0%下回る2134円となった。一方、11日にグロース市場に上場したオルツ<260A>の初値は、公開価格を5.6%上回る570円となった。オルツは初値形成後、売り圧力が強まったが、大引けにかけて値を戻し、初値を上回って取引を終えた。
■主力株は高安まちまちか
来週の新興市場は、引き続き売買低迷で方向感に乏しい展開となりそうだ。グロース市場250指数は9月27日に200日移動平均線まで上昇したが、「高市トレード」の逆転も影響し跳ね返された。7月18日、9月3日に続き三度この水準に押し戻されたことから、この水準が上値抵抗として強く意識されている。また、右肩下がりの25日移動平均線にも頭を押さえられており、目先のトレンドは弱い。売買代金が1000億円を割り込むような薄商いでは、指数の方向感はつかみにくい。
個別では、腰の据わった資金は期待できず、主力株は高安まちまちが続きそうだ。短期資金は直近IPO銘柄に向かおう。11日に上場したばかりのオルツや、安値圏から反発しているダイブ<151A>、週末動き出したD&Mカンパニー<189A>あたりに物色が向かいそうだ。
なお、来週は、16日にスタンダード市場に上下水道を中心とした水に関する建設コンサルティング事業を手掛ける日水コン<261A>、18日にはプライム市場に眼鏡関連事業を手掛けるインターメスティック<262A>がそれぞれ上場する。インターメスティックは今年初のプライム上場銘柄となる。グロース市場に上場する銘柄のような初値に対する期待感は低いかもしれないが、パッシブ資金による買い需要などを材料に、堅調な株価推移を期待したいところだ。
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