1. 2024年12月期第2四半期の業績概要
2024年12月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高で前年同期比13.6%増の10,747百万円、売上総利益で同20.3%増の2,928百万円、営業利益で同50.1%減の88百万円、経常利益で同67.8%減の60百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同81.9%減の18百万円となった。売上高は、大手自動車メーカーからの設計開発の需要が旺盛なことから、過去最高となった。また、売上総利益は、約7%の賃上げを実施したが、売上単価の向上や稼働率向上といった各種施策により、売上原価比率を前年同等程度に抑制できたことから、大幅な増益となった。その結果、同社が重視する売上総利益率は27.2%で、同1.5ポイント上昇した。一方、組織拡大による人件費及び採用費の増加や営業体制強化等の影響で、販管費が同25.8%増と大きく増えたことで、営業利益以下の各利益は大幅な減益となった。
なお、売上高・営業利益以下の各利益は、2024年5月発表の修正予想を上回って着地した。売上高は、国内のエンジニアリングサービス及びインド子会社の売上高が計画を上回ったことから、初めて100億円を超過した。また、国内で賃上げ傾向のなか、交渉により取引先が単価引き上げに応じたことも売上増加に寄与した。好調な売上高に加えて、国内設計開発の受託事業において製造経費が抑制されたことや、管理部門の一部費用発生が下期以降にずれ込んだことも各利益の上振れに影響した。
2024年12月期中間期における同社グループを取り巻く経済環境は、やや厳しいものであった。グループの主要顧客の属する自動車産業において、一部大手自動車メーカーの品質不正による生産停止の影響を受けて先行き不透明感が継続する事態となった。一方、顧客の製品設計開発に係る需要は、足元の製造販売の動向とは異なり電動化や自動運転等の新規技術に関する開発意欲が高く、旺盛な状態が継続した。こうした状況のなか、同社グループはエンジニアやコンサルタントを増員、新卒採用者数も昨年より増加し、その教育を開始したほか、東日本ブランチ及び西日本ブランチを増床し、新宿、熊本にオフィスを新設するなど、デザイン事業の生産能力を拡大した。また、マニュファクチュアリング事業においても、最新型の光造形機に関連する設備の補強を行い顧客のニーズに応える体制を整えるとともに、一部工場の統廃合を行い合理化も進めた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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