「Liquid eKYC」は、利用量に基づく従量課金(ストック型収益となる単価×利用回数)が主な収益源で、従量課金が収益の95%以上を構成する。金融業・通信業など高いセキュリティ要件を求められる業種に集中して導入されており、直近はサービス業にも導入されている。国内eKYC市場全体では22.4%のシェアを有しており、業種別では金融業が23.5%、通信業が40.4%、サービス業が19.8%と各業界のリーディングカンパニーを中心に導入が進んでいる。事業構成として、個人最適化ソリューションも展開しているが、同事業は23年11月期の売上高に占める割合は1割強。将来的には再展開を図っていくが、今期についても、引き続き規模は縮小して、個人認証ソリューションを主軸として展開していく予定。
全社業績について24年11月期は売上高が前期比5.7%~34.9%増の20.5億円~26.15億円のレンジ、営業損益が1.68億円の赤字~0.58億円の黒字のレンジ、EBITDAは0.5億円~2.75億円で通期黒字化を見込んでいる。主力事業である個人認証ソリューションの売上は前期比で18%増〜50%増の成長を見込んでおり、「提供サービス・利用範囲の拡大」と「対象業界・企業数の拡大」の両面から事業拡大を実施する方針。今期は、新領域として地方自治体・公共サービス、ヘルスケア領域に注力するようだ。
個人認証関連市場は、将来的には約1.2兆円のマーケットと想定されている。市場規模の拡大も追い風となりそうで、同社は中期的に売上高で年率130%以上の成長を目指している。そのほか、既存eKYC事業の拡大とともに、データを活用した画像生成AIサービス「SugeKae」の正式ローンチも実施、第2の柱として生成AI関連のサービス展開も想定している。さらに、今後はM&Aの効果によるプラスアルファの成長も期待される。
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