今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が+4.06%だったのに対して、グロース市場指数は-1.00%、グロース市場250指数は-0.63%。日経平均株価は史上最高値を更新し、12日には一時44800円台に水準を切り上げた。石破首相の辞任発表を受けた政策期待が高まったほか、米オラクルの急騰がAI関連株への支援材料になった。ソフトバンクグループ<9984>、アドバンテスト<6857>など日経平均型への資金流入が強まった一方で、グロース指数、グロース250指数は調整が継続。時価総額が大きい銘柄で構成されているグロース市場コア指数は、週間ベースで-0.89%だった。
時価総額上位銘柄では、コンヴァノ<6574>の週間上昇率が19%を超えた。先週は30%を超える下落だったが、26年3月期の連結業績予想を上方修正したほか、新たに総額200億円のビットコインを購入することを決定したとの発表を手掛かりにリバウンドをみせた。フリー<4478>は国内証券による格上げが材料視されたほか、BuySell Technologies<7685>は目標株価引き上げをきっかけとした買いが続いた。一方、タイミー<215A>は今期の単独売上高予想のレンジを引き下げたことが嫌気され、下落率は21%を超えた。
その他、スリー・ディー・マトリックス<7777>が週間で32%超の上昇。26年4月期第1四半期の連結純損益が黒字に転換したことが評価された。GA Technologies <3491>は初配当実施の発表を手掛かりとした物色が強まり、同15%超の上昇となった。一方、データセクション<3905>は第三者割り当てによる新株予約権の発行を発表、希薄化率200%が嫌気されて連日でストップ安となった。
今週はIPOがなかった。
■引き続き不安定な相場展開か
来週の新興市場は、引き続き不安定な相場展開となりそうだ。中銀ウィークになることで各国の金融政策に関心が集まる。日経平均株価は史上最高値を更新する中で、利益確定目的の売りが出てくる可能性はあるものの、主力の半導体やAI関連への資金集中が強まっており、出遅れ感のある中小型株への物色の広がりは期待しにくい。低位材料株での短期的な値幅取り狙いのほか、決算などを手掛かりとした個別対応に向かいそうだ。
12日の取引終了後に、フレアス<7062>が26年3月期中間期の業績予想を上方修正したほか、アシロ<7378>は25年10月期通期業績予想を上方修正。関通<9326>は26年2月期上期の営業損益予想を黒字に転換した。一方、モルフォ<3653>は25年10月期通期業績予想を下方修正した。来週は、16日に学びエイド<184A>、LeTech<3497>、Terra Drone<278A>、Mマート<4380>、tripla<5136>の決算発表が予定されている。
来週はIPOが予定されていない。翌週は、25日にオリオンビール<409A>、GMOコマース<410A>、26日にUNICONホールディングス<407A>が上場する。GMOコマースとオリオンビールは同日上場だが、いずれも約1カ月ぶりのIPOとなるほか、業績堅調で配当利回りも高いことから、堅調な初値が期待されている。なお、今週はソニーフィナンシャルグループ<8729>のほか、飲食店の経営を行うサイプレス・ホールディングス<428A>、データベース&マーケティング支援を手掛けるユーソナー<431A>の上場承認が発表された。
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