チーフ・アナリスト藤根靖晃が、直近に発行された全レポートから独自の視点(ROE・財務レバレッジ・PBR水準等)で、注目銘柄をピックアップします。
トヨタ自動車 <7203> 【 2+→2+】
「中国はFCVに補助金、米加州は35年にガソリン車の新規販売は禁止へ動く」
投資評価は「2+」を維持する。理由は、(1)21/3期1Qの販売台数は新型コロナ禍で半減し、東日本大震災時を上回る需要減となったが、その中でも営業段階で黒字を確保し従来から収益体質の強化が進んでいることが評価できる。(2)中国や欧州では環境面からEV、PHEVなどに補助金策を導入し優遇するが、環境技術が高く、環境対応車に全方位で当たる同社にとっては当面、追い風になる公算が大きいと考える。(3)好調な中国販売、足元の生産・販売の回復状況を踏まえると21/3期同社計画に上振れ余地がある(4)新型コロナ影響収束を前提に22/3期はV字回復をTIWは見込む。(5)新型コロナ禍からの正常化を見込む22/3期TIW予想PER11.5倍でみれば株価指標面にも割安感がある。などによる。押し目は拾っておきたい。
予想ROE:5.6% PBR:1.1倍、来期予想PER:11.5倍、来期予想EPS成長率:66%株価(10/2終値):6,891 円
Fモデルによる理論株価:7,623円(9月28日by高田悟)
TOYO TIRE <5105> 【 2+→1】
「大口径タイヤ市場化拡大と供給力向上により21/12期は高成長をTIWは予想」
8月7日の20/12期上期(1-6月)決算発表以降、株価は堅調推移が続く。最近の取材等を踏まえ、堅調な株価には更に上昇余地があるとTIWではみるため投資評価を「2+」→「1」へ今般引き上げる。目標株価はTIW21/12期予想EPSの15.5倍の2,550円とする。21/12期は新型コロナからの正常化を見込むこと、21/12期TIW業績予想達成の確度は高いとみるため21/12期EPSを目標株価算出に当たり用いる。また、過去3カ年の実績PERの平均が15.7倍でありPER15.5倍の目標株価付与は妥当と判断。
予想ROE:6.6% PBR:1.3倍、来期予想PER:10.5倍、来期予想EPS成長率:68%株価(10/2終値):1,765円
Fモデルによる理論株価:2,231円(9月30日by高田悟)
ジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> 【 1→1】
「1Qは保守・保全業務好調から48%営業増益、TIWは21/3期計画上振れを予想」
21/3期1Q(4-6月)決算ではリニューアル業務で新型コロナ影響を受けたが保守・保全業務の好調により前年同期比48%増の大幅営業増益を確保したことがポジティブ。順調な計画遂行等から21/3期は現行の同社計画を上って着地する公算が大きいこと、22/3期、23/3期もTIWでは高成長を見込むこと、などから投資評価は「1」を維持する。
予想ROE:34.7% PBR:33.3倍、来期予想PER:66.8倍、来期予想EPS成長率:23%株価(10/2終値): 3,605円
Fモデルによる理論株価:748円(9月30日by高田悟)
TIWではコンセンサス・データ等を利用して、独自に日経平均の今期予想ベース、来期予想ベースのROE、PBR、リスクプレミアム等を算出しております。(詳しくは、以下のサイトをご覧下さい)
〔 http://column.ifis.co.jp/category/market/tiw 〕
こうして算出したマーケット参考値と個別企業の株価指標を比較し、さらにアナリストの予想を加味して選択をしています。
※文中のROE、PBR、PER等の数値は、特に断りが無い限りは、レポート発行時に算出した値です。
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