ライブ配信コミュニケーションプラットフォーム事業の単一セグメントで、「ツイキャス」はライブ配信・視聴が原則無料、収益は「ポイント販売売上」「メンバーシップ売上」「プレミア配信売上」の3種類から成り立つ。2010年のサービス開始以来、10代・20代前半の男女を中心にユーザーを獲得しており、2021年7月末時点の累積登録ユーザー数は3,360万。SNS連携機能を活かし、ユーザー自身が「ツイキャス」上で展開されるライブ配信をSNS上で拡散することで新たなユーザーの獲得につながっている。また、ユーザー同士のトラブル回避や違法行為等の防止といったサービスの健全性維持・改善を重視している。
25年1月期第1四半期の売上高は前年同期比1.7%減の1,577百万円、営業利益は同6.1%減の45百万円で着地した。売上高はポイント販売売上の影響を受けて減少したが、メンバーシップ売上の成長により計画を上振れたもよう。ポイントPU(月間ポイント購入ユーザー数)やポイントARPPU(ポイント購入ユーザーあたりの月間平均課金額)は減少した。通期の売上高は前期比2.8%減の6,251百万円、営業利益は同49.4%減の72百万円を見込んでいる。プラットフォームの規模拡大を優先することにより、売上高は保守的な見積もりとなる一方で、中長期での持続的な成長の基盤強化に向けて体制強化とマーケティングの領域で投資を継続するため減益を想定している。
直近のライブ配信業界は、グローバルプラットフォームなどの台頭によって競合が多いイメージが広がっているが、同社は若年層を中心にユーザー数を伸ばしているほか、リアルタイムにトランザクションが発生するライブ配信において低遅延という技術的な強みを持つ。また、直近はメンバーシップ売上が増加してきており、中長期的にフロー型のビジネスモデルからストック型に切り替えられるよう先行投資を実施している。ライブ配信市場の事業環境は今後も拡大が続くと想定されている中で、業績回復から中長期的な成長ステージに転換するか注目しておきたい。
<NH>
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