2日の米国市場でNYダウは3日続伸し、35ドル高となった。トランプ大統領の発言を受けて通商問題に対する過度な警戒感が和らいだほか、6月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が市場予想を上回ったことなども好感された。朝方は円相場も落ち着きを見せており、本日の日経平均は自律反発に期待した買いが先行して77円高からスタートした。寄り付き後は円相場の下落とともに上げ幅を3ケタに広げる場面があったももの、通商問題を巡る先行き不透明感や中国の景気減速への警戒感などが重しとなり、度々マイナスに転じるなど方向感に乏しい展開となった。東証1部の値下がり銘柄数は全体の6割近くとなった。
個別では、三菱UFJ<8306>、東エレク<8035>、キヤノン<7751>、KDDI<9433>、ファナック<6954>などがさえない。キヤノンは目標株価引き下げの動きが観測されている。一方、任天堂<7974>、ソフトバンクG<9984>、東海カーボ<5301>などが堅調で、トヨタ自<7203>は小高い。ファンケル<4921>、ミネベア<6479>などではレーティング動向を手掛かりとした物色が見られる。また、ミサワ<3169>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、非鉄金属、海運業、精密機器などが下落率上位。半面、石油・石炭製品、空運業、鉱業などが上昇率上位となった。
米国株式市場は3日が短縮取引、4日が休場(独立記念日のため)となるため、海外投資家の取引参加が減少して商いも低調となりそうだ。ただ、日経平均はアジア株や米株価指数先物の動向を受けて、薄商いのなか下に振らされる場面が出てくる可能性がある。アジア市場では中国・上海総合指数が続落している。非鉄金属や海運といった景気敏感株の軟調推移は、米国と中国などの国々の通商問題を巡る対立の影響や、中国景気減速に対する警戒感の根強さを窺わせる。日経平均は前日に節目の22000円を割り込み、下値不安も台頭しつつある。
全般に買い手掛かりの乏しいなか、レーティング引き上げ等で安心感のある銘柄への個別物色が中心となりそうだ。また、新興市場ではマザーズ指数が取引時間中の年初来安値を更新しているが、前日に続きZUU<4387>など直近IPO銘柄の一角が買いを集めている。中小型株でも需給面で銘柄選別色が強まっているものと考えられる。
(小林大純)
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