1. パッケージ印刷用インキが主力
印刷インキ事業は、日本・アジア・米州及び欧州の各市場向けのパッケージ印刷用インキ(段ボールや紙器など紙パッケージ印刷用、食品・化粧品・トイレタリー製品・日用品などフィルムパッケージ印刷用、飲料缶など金属缶印刷用など)を主力としている。紙媒体印刷用インキ(新聞印刷用の新聞インキ、書籍・雑誌・カタログ・ポスター・チラシ・伝票など各種商業印刷物印刷用のオフセットインキ)は構成比が低下して、全体の業績に与える影響が小さくなっている。
印刷関連機材事業は主として日本市場向けに、CTP(Computer to Plate)セッター、CTP版、インクジェットプルーファー、インクジェットプルーフ用紙、編集用ソフトウェア、カラーマネジメントシステム、インキディスペンサーなどの印刷製版用材料や印刷関連機器を仕入・販売している。
機能性材料事業は、日本・アジア・米州及び欧州の各市場向けに、デジタル印刷材料(大型出力物やテキスタイルなどに使用される産業用インクジェットインキ、レーザープリンターや複合機に使用されるカラートナー・モノクロトナー)、画像表示材料(カラーフィルター用顔料分散液)、及び機能性コーティング剤を製造・販売している。
その他事業は主として日本市場向けに、化成品等販売事業(阪田産業(株))、ディスプレイ関連事業(サカタラボステーション(株))、及び色彩関連機材事業(サカタインクスエンジニアリング(株))などを行っている。
印刷インキ事業及び機能性材料事業は、グローバル展開の加速と各地域特性に応じた製品戦略の推進、環境配慮型高機能・高付加価値製品拡販による数量増で、収益拡大を目指している。
アジア及び米州が収益柱
2. セグメント別構成比
連結決算における報告セグメントは、印刷インキ・機材(日本)、印刷インキ(アジア)、印刷インキ(米州)、印刷インキ(欧州)、機能性材料、その他としている。
2019年12月期のセグメント別営業利益構成比(連結調整前)は、印刷インキ・機材(日本)が15.0%、印刷インキ(アジア)が44.0%、印刷インキ(米州)が35.4%、印刷インキ(欧州)が-17.9%、機能性材料が16.9%、その他が6.7%だった。グローバル展開の加速や環境配慮型高機能・高付加価値製品の拡販によって、市場拡大・開拓余地の大きいアジア及び米州が収益柱に成長している。2019年12月期には新規連結(タイのエターナル社、ブラジルのクリエイティブ社)も寄与して構成比が一段と上昇した。なお印刷インキ(欧州)は生産体制再編など構造改革中である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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