ＤＩＣに買い優勢、欧州子会社のリストラ効果発現、株価底入れ鮮明

　ＤＩＣ<4631.T>が全般相場に逆行、買い優勢の展開となっている。株価は３月中旬から期末を前にした機関投資家のポジション整理の売りで下げ歩調を強めていたが、３月２７日に下ヒゲで安値２５３円をつけ底入れを確認、時価は売り物が枯れ浮上の兆しにある。印刷インキで市場シェアは世界ベースで３０％と群を抜く。欧米の印刷インキ子会社の中小型拠点の閉鎖などリストラが進捗、１５年１２月期の収益にその改善効果が反映される見通し。一方で、経済成長著しい新興国では教育水準や生活水準の向上に伴い、インキ需要が増勢、特に食品、日用品向けインキは年率２ケタ成長が試算されるなど中期的な収益への追い風が強まっている。また、電子材料ではスマートフォン向けに工業用粘着製品で高シェアを確保、液晶材料も業界では後発ながら、今後はモバイル向けへの展開で実力を発揮しそうだ。

ＤＩＣの株価は１４時２１分現在２６８円（△６円）


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）