今週の新興市場は大幅下落。同時期の騰落率は、日経平均が-4.67%だったのに対して、グロース市場指数は-9.62%、グロース市場250指数は-10.36%と厳しい下落。旧マザーズ指数までさかのぼると2022年1月1週の-10.61%以来の下落率となった。プライム市場同様、日米中銀会合後の急激な円高進行や、米景気後退懸念の高まりなどを背景にリスク回避の売り圧力が強まる地合いとなり、時価総額が大きい主力株が総崩れとなった。一部バイオ株物色は続いたが、8月2日のグロース市場250指数の下落率は前日比-7.53%と、旧マザーズ指数ではコロナショック発生時の2020年3月9日の-9.75%以来の暴落。この日のグロース上昇銘柄数はわずか10銘柄に留まり、グロース構成銘柄全体の98%が下落する全面安となった。
時価総額上位銘柄では、好業績が評価されて上場来高値圏で推移していたGENDA<9166>が売られ、週間ベースでは-23%の大幅安となったほか、シーユーシー<9158>は7月25日以降の急騰分がはく落。ジーエヌアイグループ<2160>、BASE<4477>、サンウェルズ<9229>が年初来安値を更新し、フリー<4478>、JTOWER<4485>、トライト<9164>、 ispace<9348>が上場来安値を更新した。その他の銘柄では、WASHハウス<6537>、コージンバイオ<177A>、FFRI<3692>の下げが目立った一方、OTS<4564>、ソレイジア<4597>、アンジェス<4563>など株価2ケタのバイオ関連に消去法的な資金が向かった。
■引き続き厳しい地合いか、IPOはなし
来週の新興市場は、引き続き厳しい地合いが続きそうだ。週末の米国市場は、7月米雇用統計の市場予想下振れを受けて、米景気減速懸念がより高まり主要株価指数は大幅続落。今週末時点で、2020年3月のコロナショック時の水準まで下落したグロース市場250指数は、週明け一段安となる公算が大きい。
米国では10年債利回りが、昨年12月以来の3.8%割れと大幅に低下したが、中小型株で構成されるラッセル2000指数も週間ベースでは7%近く下落しており、グロース市場の刺激材料とはならず、むしろ売り材料となっている。日米ともに投資家心理が急速に悪化したことから、「落ちるナイフ」をただ眺めている状況だ。下げ止まりのきっかけを確認したいところだが、投資家の多くが疑心暗鬼となっていることから、為替市場の落着きや米景気後退懸念の払しょくなどを待つ必要があろう。
来週は新規株式公開(IPO)も予定されていないことから、引き続き消去法的な物色が、OTSやアンジェスのほか、メディネット<2370>、ブライトパス・バイオ<4594>、リボミック<4591>など株価2ケタで値動きが軽いバイオ銘柄に向かおう。また、株価2ケタという意味合いでは、フルッタフルッタ<2586>、モブキャストHD<3664>、環境フレンドリーHD<3777>、窪田製薬HD<4596>も物色の対象となりそうだ。株価2ケタの超小型株物色が活発化することで出来高は膨らむが、主力株への買いが手控えられていることから売買代金は1000億円前後に留まるだろう。
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