長鎖非翻訳RNA「TUG1」は、がん細胞の増殖を助け、複製ストレスを解除し細胞死を抑制する。「TUG1 ASO」は、このTUG1の働きを阻害するアンチセンスオリゴ核酸(ASO)をポリマー技術と融合し腫瘍へのデリバリーする抗腫瘍製剤で、膠芽腫などの治療成績の悪い難治がんに対する新たな治療薬になりうると期待されている。
膠芽腫(こうがしゅ)の国内患者数は年間2000例程度。その標準療法は手術、放射線治療、全身化学療法の組み合わせであるが、根治は困難でほとんどの患者が再発し、再発後の予後は極めて不良である。本治験はこの再発膠芽腫を対象疾患とする。
本治験の責任医師は名古屋大学医学部脳神経外科学教授斎藤竜太先生で、実施施設は名古屋大学医学部付属病院、国立がん研究センター中央病院、京都大学医学部付属病院の3施設。主要評価項目は安全性、副次評価項目は薬物動態、奏効率など。
TUG1 ASOの開発については、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的がん医療実用化研究事業に名古屋大学近藤豊教授が中心研究者となり2期連続で採択され、本治験も同資金を活用し実施される。
同社はAMED事業の参画機関として、これまで治験薬の製造法確立および非臨床試験などを受け持ち、同治験では製材供給および薬物動態解析などを担当する。
<SO>
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