東証プライム市場の騰落銘柄数は、値下がり銘柄数が1100に迫り、全体の6割超を占めた。セクター別では、銀行、非鉄金属、その他金融など16業種が上昇。一方、鉱業、電気ガス、情報通信、パルプ紙など17業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、アドバンテス<6857>、信越化<4063>が堅調だった半面、ソフトバンクG、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>、第一三共<4568>が軟調だった。
植田和男日銀総裁の1日の発言を受け、年内の利上げ観測が高まり、長期金利は17年半ぶりの高い水準となった。金利上昇による利ざや改善期待からメガバンク株がそろって高値を更新したほか、地銀株も買われるなど物色の中心だった。また、米半導体大手エヌビディアと協業し、産業用ロボットのフィジカルAI(人工知能)実装を推進すると発表したファナックが大幅に続伸するなど、AI関連株の一角にも買い戻しの動きが波及した。
来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げと再来週の日銀の金融政策決定会合での利上げはほぼ織り込まれた感はある。このため、日米の金融政策動向が株式市場を大きく動かす材料にはなりにくいのではないかとの指摘も聞かれ始めている。ただ、日米金利差縮小から円高が進みやすいのは事実で、為替市場の動きには引き続き警戒が必要だろう。
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