ACRLが2021年7月より開始した希少遺伝性疾患の拡大新生児スクリーニング検査は、検査数が2022年12月期の約1万件から2倍増ペースで拡大を続けてきた。CReARIDからの検査受託に加え、2024年8月以降は群馬県や埼玉県、沖縄県などの地方自治体(またはその関連団体)からも受託を開始したことが要因である。四半期ベースの検査手数料収入も右肩上がりで成長している。2025年からは新たに長野県からの受託を開始したほか、CReARIDが2025年3月末で受託サービスを終了したことに伴い、直接クリニックから検査を受託するようになり、1件当たりの単価が上昇したことも増収要因となっている。ただ、検査機器や人的リソース面で処理能力が上限に達しており、さらに検査件数を拡大するためには設備投資を行う必要がある。実際、2025年12月期第3四半期の売上高は140百万円と前四半期比で減少に転じた。同社は現在、HGF遺伝子治療用製品の上市を経営の最優先課題としていることから、能力増強投資の時期は状況を見極めるとしている。
同社は検査領域拡大の取り組みとして、2024年5月より希少遺伝性疾患の遺伝学的検査(確定検査)を開始した。さらに、2025年9月よりムコ多糖症の2次スクリーニング並びに経過観察、治療効果のモニタリングなどを目的としたバイオマーカー検査についても開始し、希少遺伝性疾患検査をワンストップで提供できる体制を構築した。従来、これらの検査をすべて行う検査所はなく、医療機関では異なる検査所に依頼する必要があり手間がかかっていたため、同社の検査所を活用することで利便性も向上する。確定検査やバイオマーカー検査の件数そのものは圧倒的に少なくなるため、業績への直接的なインパクトは軽微だが、これら希少遺伝性疾患に関する検査を多く行うことで、新たな治療薬候補品を見出す機会が増えるものと考えており、今後も同事業については継続的に取り組む方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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