6日の米国市場は反発。ダウ平均は75.86ドル高(+0.20%)の38661.05ドル、ナスダックは91.96ポイント高(+0.58%)の16031.54、S&P500は26.11ポイント高(+0.51%)の5104.76で取引を終了した。金利低下を好感し、寄り付き後、上昇。雇用関連指標が労働市場のひっ迫緩和を示唆したため年内の利下げ期待も強まり、相場を一段と押し上げた。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は下院金融委員会での議会証言で「利下げを急がない方針」を再表明すると同時に、年内いずれかの時点で利下げが適切になる可能性が高いと言及すると、相場は終日堅調に推移。ただ、地銀のニューヨーク・コミュニティー・バンコープの急落を受け金融市場への不安に上値が抑制された。しかし、同行が10億ドル超の増資発表で株価が回復すると警戒感も後退し、終盤にかけ回復し終了。
米国株上昇を受けて、東京市場は買い優勢で取引を開始した。取引開始後の日経平均は一時40472.11円と取引時間中の史上最高値を更新する場面も見られたが、徐々に上げ幅を縮小。為替が1ドル148円台に入るなど円高ドル安が進行しているほか、8日の3月限先物・オプション特別清算指数(SQ)算出を前に先物市場で売りが入ったことなどから日経平均は前日比マイナス圏に突入。前場の上下の値幅は791.38円と荒い値動きとなった。
日経平均採用銘柄では、アドバンテスト<6857>、スクリーンHD<7735>、東エレク<
8035>など半導体関連の一角が売られたほか、マツダ<7261>、日産自<7201>、SUBARU
<7270>など自動車関連も総じて下落。このほか、レゾナック<4004>、荏原製作所<6361>が売られた。日経平均採用銘柄以外では、急騰していたクロスキャット<2307>が急落するなど乱高下。
一方、川崎重<7012>、安川電機<6506>、SOMPOホールディングス<8630>が買われたほか、りそなHD<8308>、三井住友トラストHD<8309>、ふくおか<8354>など銀行株の一角も買われた。日経平均採用以外では、昨日買われたツムラ<4540>、アインHD<9627>が大幅続伸したほか、昨日上げ一服だったさくらインターネット<3778>が買われ、心理的な節目である10000円台を突破した。
セクターでは、輸送用機器、海運業、ゴム製品、鉄鋼、電気機器などが下落した一方、保険業、その他金融業、鉱業、銀行業、石油・石炭製品などが上昇した。
日本銀行が3月18‐19日に開く金融政策決定会合で、一部出席者がマイナス金利政策の解除が妥当だと意見表明する見通しであると報じられたことから、市場では、銀行株が上昇するほか円高ドル安が進行するなど、早期の金融政策正常化を織り込む動きがみられた。ほぼ同じタイミングで、米国ではトランプ前大統領が11月の大統領選で共和党候補となるのが確実となったともあり、為替は円高ドル安に振れやすくなっている。後場の東京市場は、為替を睨みつつ、大型バリュー株を中心とした押し目買いなどで日経平均が底堅い動きを見せるか注目となろう。
<AK>
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