東証プライム市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄数が1100を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、鉄鋼、その他金融、パルプ紙、機械など25業種が上昇。一方、空運、陸運、小売など8業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテス<6857>、イビデン<4062>、信越化<4063>、ファナック<6954>が堅調だった半面、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、セコム<9735>、中外薬<4519>が軟化した。
取引開始前に発表された11月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除く総合が前年同月比2.8%上昇となり、市場予想を上回った。これが日銀による利上げ観測の支えとなり、国内長期金利が上昇したため利ざや改善への思惑から金融株などが買われる場面もみられた。ただ、連日の株価上昇に対する警戒感から利食い売りも出やすく、東エレクやソフトバンクG<9984>、フジクラ<5803>など人工知能(AI)関連株の一角も下落していることで方向感を掴みにくくさせた。
米国市場が休場だっただけに、全般は方向感の定まらない展開だった。日経平均はひとまず5万円の大台を割り込まず終了することができたが、海外投資家は徐々に年末ムードに入り始める傾向があり、「日本株を積極的に買ってくるのは難しいのではないか」との指摘もある。一方、年末にかけては、日本特有の需給要因があるだけに、総じて堅調な地合いが続きそうだ。
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