東証プライム市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄数が全体の5割超を占めた。セクター別では、サービス、海運、鉄鋼、小売など16業種が上昇。一方、非鉄金属、電気機器、機械、情報通信など17業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、リクルートHD<6098>、中外薬<4519>、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>が堅調だった半面、ソフトバンクG<9984>、アドバンテス<6857>、味の素<2802>、東エレク<8035>が軟調で、アドバンテスとソフトバンクGの2銘柄で日経平均を633円超押し下げた。
米企業による人員削減数が過去20年余りで最多となったことが景気減速懸念を強め、前日の米国市場では主要株価指数がそろって下落した。東京市場でもソフトバンクGやアドバンテスなど指数寄与度の大きいテック株中心に下落する銘柄が増加した。また、市場予想を下回る決算を発表した味の素がストップ安まで売られ、カナデビア<7004>やローム<6963>も急落し、日経平均の下げ幅は一時1200円を超えた。一方、2026年3月期の業績予想を上方修正したリクルートHDが急伸し、肥満治療薬の早期発売期待が高まった中外薬も大幅に上昇した。
日経平均は下げ幅を縮めたものの、米テック企業の先行き懸念は依然としてくすぶっている。また、米政府機関の閉鎖が長引く中、雇用改善などを裏付けるデータに乏しく、景気の先行き不透明感が高まっているなかで、今後も不安定な動きが続くことが想定されよう。国内では来週11日に、ソフトバンクGの決算発表が控えているため、決算次第では、再び日経平均の変動幅が大きくなる可能性があり警戒が必要だ。
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