東証プライム市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄が1100に迫り、全体の7割近くを占めた。セクター別では、その他製品、パルプ紙、証券商品先物、鉱業、精密機器など28業種が上昇。一方、鉄鋼、海運、機械など5業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、任天堂<7974>、コナミG<9766>、リクルートHD<6098>が堅調だった半面、中外薬<4519>、フジクラ<5803>、ニデック<6594>、KDDI<9433>、三菱重<7011>が軟化した。
前日の米国市場は、「トランプ米大統領がイラン攻撃を選択肢の一つとして検討」と伝わったことなどから中東情勢に対する懸念が広がり主要株価指数は下落し、これを受けた東京市場も売りが先行して始まった。ただ、円安進行による輸出採算の改善期待から自動車や機械など輸出関連株などに買いが入ったほか、任天堂の上昇を受けて他のゲーム関連株にも値を上げる銘柄がみられた。円相場に連動して商品投資顧問業者(CTA)など短期筋による先物への買いが断続的に入ったとの観測もあり、日経平均を押し上げる要因につながったとみられる。
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、4会合連続で政策金利の据え置きが予想されている。投資家の関心は、トランプ関税を受けた最新の政策金利水準の分布図(ドットチャート)や経済予測であり、年2回の利下げ予想に変化がみられるようだと、米国市場の荒い値動きに振らされる可能性はありそうだ。日経平均は不安定な外部環境のなかで強いリバウンド基調を継続しており、仕掛け的な売買というよりは、実需の買いが入っているようである。米国から欧州やアジアへの資金シフトも意識されてきそうだ。
<CS>
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