東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1100を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、鉱業、陸運、銀行、石油石炭など19業種が上昇。一方、医薬品、ガラス土石、パルプ紙、非鉄金属など14業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、塩野義<4507>、京成<9009>、バンナムHD<7832>がしっかりだった半面、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>が軟調だった。
前日の米国市場は、米政府がエヌビディアなどが設計したより高度な人工知能(AI)用半導体の中国への輸出停止を計画していると発表したことが嫌気され、主要株価指数は下落。東京市場もリスク回避の動きが先行して始まり、日経平均の下げ幅は一時170円を超えた。一方、日本で半導体生産を計画するSBI<8473>と台湾のパワーチップ傘下の半導体受託生産大手PSMCが、三重県を含めた5カ所程度に候補地を絞ったなどと報じられたこともプラス材料になり、朝安の半導体関連銘柄がプラスに転じ、日経平均も切り返した。
日経平均は32000円を挟んでのもみ合い展開が続いているが、先行き不透明要因は多い。中東地域の紛争長期化が懸念されることや米国の金融政策の行方などだ。目先的に注目されるのは、日本時間あす未明に予定されるウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事の発言内容と地区連銀経済報告(ベージュブック)だろう。ウォラー氏の発言については、タカ派の代表格であるウォラー氏がハト派的な発言を繰り返すのかが注目されるほか、ベージュブックについては、米連邦公開市場委員会(FOMC)の資料となるだけに31日から始まるFOMCでの利上げ見送り観測に沿った内容に変更されるのかを確認することになる。
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