今週の新興市場は上昇。同時期の騰落率は、日経平均が+3.60%だったのに対して、グロース市場指数は+2.75%、グロース市場250指数は+2.76%。日経平均株価は、米中貿易摩擦に対する過度な警戒が後退したほか、高市新政権に対する政策期待から買われた。グロース指数、グロース250指数においてもこの流れが広がる形になった。時価総額が大きい銘柄で構成されているグロース市場コア指数は、週間ベースで+1.85%だった。
時価総額上位銘柄では、インテグラル<5842>の週間上昇率が12%を超えた。同社系ファンドが投資する東洋エンジニアリング<6330>がレアアース関連として急騰したことで思惑が高まった。Synspective<290A>は同9%超の上昇。高市政権がインテリジェンス司令塔機能の強化に向け、「国家情報局」を創設する方向で調整に入ったと報じられたことが材料視された。一方、GENDA<9166>は下落率が3%を超えた。9月度の売上高(速報値)の発表を手掛かりにした動きもみられたが買いは続かなかった。
その他、JDSC<4418>が週間で83%超の上昇。ソフトバンク<9434>と、AI領域での中長期的な戦略的協業を目的とする資本業務提携契約を締結したと発表。今回の提携によりAI領域における中長期的な戦略パートナーとして協働し、最先端のAI技術の社会実装を加速させるとして注目された。カラダノート<4014>は同39%超の上昇となった。「FY2026中期経営計画-事業計画及び成長可能性に関する事項-」の公表が材料視されたようだ。一方で、インフォメティス<281A>の下落率は40%を超えた。主要取引先との取引が終了する見込みとなり、今期業績予想のレンジ上限シナリオが消滅したと発表し、業績予想の下方修正の可能性が高まったことが嫌気された。
今週のIPOは、23日にグロースへ上場したサイバーソリューションズ<436A>は、公開価格(1380円)を38.7%上回る1914円で初値を付けた。一方、24日に同じくグロースへ上場したインフキュリオン<438A>の初値は、公開価格(1680円)を7.1%下回る1560円だった。初値形成後に1660円まで買われたが公開価格には届かず、引けにかけて1451円まで軟化した。
■高市政権の政策関連銘柄を探る動きか
来週の新興市場は、上昇が見込まれる。21日の高市首相の所信表明演説を経て、改めて高市政権による政策「サナエノミクス2.0」に関連するであろう宇宙・防衛、核融合発電、量子コンピューター、人工知能(AI)、サイバーセキュリティ等の銘柄を探る動きが期待される。また、国内でも決算発表シーズンに突入するため、決算を材料に個別の活況が見込まれる。28日にマクアケ<4479>、サイバートラスト<4498>、リアルゲイト<5532>、29日にSBIリーシングサービス<5834>、ドリコム<3793>、30日にJストリーム<4308>、グローバルセキュリティエキスパート<4417>、31日にTDSE<7046>、サンクゼール<2937>などの発表が予定されている。
来週のIPOは予定されていない。今週は、総合コンサルティング事業のノースサンド<446A>、紳士服、婦人服、子供服など各種衣料繊維製品の製造・販売等を手掛けるHUMAN MADE<456A>の新規上場が承認された。いずれもグロースとなる。また、11月4日にグロースに上場を予定しているNE<441A>の公開価格が750円と、仮条件(730~750円)の上限で決まった。
<FA>
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