個別では、前述のマネーフォワードが週間で21.2%高となり、株式分割考慮後の上場来高値を大きく更新。これにつれてフリー<4478>は同15.7%高となった。その他マザーズ時価総額上位もメルカリ<4385>が同4.5%高、JMDC<4483>が同7.3%高と全般堅調。また、ケアネット<2150>の賑わいが続き、週間のマザーズ上昇率トップとなった。時価総額も1000億円の大台に達した。一方、ウェルスナビ<7342>が同2.5%安となり、アンジェス<4563>も売り優勢。また、ハウテレビジョン<7064>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力は、ワークマン<7564>が同5.5%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同5.0%安と高安まちまち。売買代金上位ではシンバイオ製薬<4582>の買いが続く一方、フェローテックHD<6890>は利益確定売りに押された。また、ファブリカコミュニケーションズ<4193>などが週間のジャスダック上昇率上位に、アクセスグループ・HD<7042>などが下落率上位にそれぞれ顔を出した。IPOでは6月10日に2社が新規上場し、テンダ<4198>の初値は公開価格の2倍となった。ワンダープラネット<4199>は6割高となる初値を付け、その後大きく上昇した。
来週の新興市場では、そろそろ戻り待ちの売りも出やすい局面となるかもしれない。経済活動再開への期待が高まる場面ながら、主力IT株への買い意欲が根強いことは再確認できた。IPOのブックビルディング(BB)が多数進行している影響も、銘柄選別のうえでBB参加する傾向が見られ、巷間言われるほど感じられない。しかし、マザーズ指数は日経平均同様に75日線水準を回復し、5月前半の下落分をほぼ埋めた。追い風となっている米金利低下も、6月15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で目先一服する可能性がある。
来週は、6月14日にGA technologies<3491>、プレミアアンチエイジング<4934>、ブシロード<7803>などが決算発表を予定している。Pアンチエイジは昨年10月の上場以降、業績上方修正とともに株価が大きく上昇。ブシロードはコロナ禍の影響を受けつつも新作ゲームの貢献などで上期営業黒字を確保しており、イベント規制緩和による一段の業績回復が期待されている。
IPO関連では、6月16日に全研本社<7371>、18日にEnjin<7370>がマザーズへ新規上場する。ともに公開規模にはやや荷もたれ感があるものの、事業内容・成長性などから投資妙味は大きいとみられ、関心が高まっているようだ。また、今週はラキール<4074>(7月16日、マザーズ)の新規上場が発表されている。
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