1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は売上高で前期比0.4%減の29,742百万円、営業利益で同12.7%増の4,033百万円、経常利益で同11.8%増の4,229百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同10.7%増の2,913百万円と売上高は微減となったものの、各利益は2期連続の増益、3期ぶりの過去最高益を更新した。また、計画に対してもそれぞれ上回って着地した。事業セグメント別で見ると、ファインケミカル事業や不動産関連事業が減収減益となったものの、ポーラスマテリアル事業、サービス事業が増収増益となり、とりわけポーラスマテリアル事業が大きく伸長し業績のけん引役となった。
売上総利益率はファインケミカル事業でロシア向けの他社製品仲介取引から撤退したことやポーラスマテリアル事業の増収効果並びに一過性の原価低減効果により前期の35.7%から38.1%に上昇し、売上総利益は前期比6.2%増、金額ベースで同658百万円の増益となった。販管費は新基幹システムの稼働開始(2024年12月)により減価償却費で50百万円増加したほか、人件費が47百万円増、運賃及び荷造費が41百万円増、研究開発費が23百万円増等となり、全体では203百万円増となった。同社の基幹システムは長らくIBMのAS400をベースに運用していたが、OSのサポート終了に伴い、汎用のERP製品に更新した。新基幹システムの稼働に伴い、従来は情報システム部経由でしか見れなかった経営分析レポートなどが直接見れるようになったほか、業務プロセスの効率化が進むなど生産性向上に貢献するものと期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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