1. 2021年3月期の業績概要
ソフト99コーポレーション<4464>の2021年3月期の連結業績は売上高で前期比9.7%増の26,802百万円、営業利益で同32.5%増の3,208百万円、経常利益で同31.8%増の3,408百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同15.6%減の1,539百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益を除き過去最高業績を更新した。売上高は2期振りの増収、営業利益と経常利益は3期ぶりの増益に転じた。コロナ禍における巣ごもり消費の拡大を追い風に、自動車用及び家庭用のファインケミカル製品の販売が好調に推移したことが主因だ。増収効果とプロダクトミックスの改善により売上総利益率が前期の36.6%から37.2%に上昇したほか、コロナ禍で販促費や広告宣伝費、出張費等を中心に販管費が抑制されたこともあり、営業利益率も12.0%と数年来で最も高い水準まで上昇した。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の減益要因は、温浴事業の収益悪化に伴い、保有施設に係る減損損失1,239百万円を特別損失として計上したことが要因となっている。
事業セグメント別で見ると、売上高では不動産関連事業を除く3つの事業で増収となり、営業利益ではファインケミカル事業とサービス関連事業で増益となった。ポーラスマテリアル事業については、アズテックの子会社化に伴うのれん償却額68百万円の計上が減益要因であり、実質的には増益となっている。また、販管費の主な増減要因を見ると、人件費が157百万円増、運賃荷造費が85百万円増、のれん償却額が68百万円増となった一方で、販促費が66百万円減、広告宣伝費が13百万円減となっている。会社計画比でも売上高、営業利益、経常利益で上回ったが、主にファインケミカル事業の好調によるものとなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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