3. 財務状況と経営指標
ソフト99コーポレーション<4464>の2018年3月期末の総資産は、前期末比2,596百万円増の53,267百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現預金・有価証券が668百万円、売上債権が443百万円増加したほか、旺盛な需要に対応するべく棚卸資産も707百万円増加した。固定資産では一部支店社屋の建替えにより有形固定資産が416百万円増加したほか、ハネロンの子会社化に伴い、のれんを28百万円計上した。
負債合計は前期末比1,040百万円増加の7,431百万円となった。流動負債で支払手形及び買掛金が195百万円、未払法人税等が287百万円、未払金及び未払費用が131百万円増加したことによる。また、純資産は前期末比1,556百万円増加の45,836百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が1,440百万円増加したほか、保有株式の株価上昇によりその他有価証券評価差額金が159百万円増加した。
経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は80%以上の高水準を維持しており、また、有利子負債もほとんどなく実質無借金経営であることから財務基盤は健全な状態にあると言える。一方、収益性に関しては営業利益率で11.7%と2ケタ台の水準となっているが、ROAで5.6%、ROEで4.2%とそれぞれ1ケタ台で、投下収益率で見れば低水準にとどまっており、今後の課題となっている。同社の株式時価総額が現状、約250億円と純資産の約458億円に対して5割強の水準にとどまっているのも、こうしたことが一因と見られる。ただ、同社の保有する資金(現預金・有価証券+投資有価証券)は約228億円と潤沢にあり、これら資金を有効に活用し事業を拡大していくことができれば、株式市場での評価も高まってくるものと弊社では考えている。
同社でもこうした点は経営課題と認識しており、今後は既存事業において「利益の伴う事業拡大」を意識し、各事業における利益率向上の取り組みを進めながら、ROIC(投下資本利益率)の上昇を目指していくとしている。また、潤沢な手元キャッシュの活用法として、新規事業への投資や既存事業とシナジーが期待できる分野においてのM&Aの活用、あるいは資本効率の向上を目的とした自己株式取得などに充当していく意向を示している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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