<動意株・23日>(大引け)=サインポスト、大泉製、ネクスジェンなど
大泉製作所<6618.T>=3カ月ぶり年初来高値更新。きょうで8連騰となりフシ目の1000円大台ラインを大きく上回った。車載用やエアコン向けを主力とする温度センサーメーカーで、業績も底入れから回復トレンドに入っている。特に車載向けでは主要取引先がデンソー<6902.T>で、今後は電気自動車(EV)シフトの動きも絡めエレクトロニクス武装が進む自動車の製品ニーズ取り込みが期待される。また、同社のサーミスタ分野の商品技術力に着目したフェローテックホールディングス<6890.T>が3月末に同社の筆頭株主に浮上、中国など中心に海外展開力が増していることも思惑を呼んでいる。
ネクストジェン<3842.T>=一時ストップ高。午前11時ごろ、同社のSBC(セッションボーダーコントローラ)ソフトウェアが、米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(カリフォルニア州)が提供する「Zoom Phone」の接続認定を日本製品として初めて取得したと発表しており、物色の矛先が向かった。さまざまな国内通信事業者との接続実績を持つ同社のSBCソフト「NX-B5000 for Enterprise」が、「Zoom Phone」の固定、携帯、IP電話サービスを接続するSBCとして認定された。この接続により、会社の電話番号を使った外線発信・着信ができるようになるほか、既存の電話設備との連携(内線通話)も可能になる。
スターティアホールディングス<3393.T>=続伸。22日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、最終損益を1億2000万円の赤字から一転して5000万円の黒字(前期1億3000万円の赤字)へ上方修正しており、これが好感されている。100%子会社スターティアレイズのクラウドストレージ事業を会社分割しChatwork<4448.T>との合弁会社とするのに伴い、関係会社株式売却益4億1500万円を特別利益として計上することが要因としている。
乾汽船<9308.T>=異彩高。一時160円高の1360円まで上値を伸ばし年初来高値を更新。前日に軒並み急動意をみせた大手海運株は、きょうは目先利益確定の動きが優勢となり日本郵船<9101.T>や商船三井<9104.T>など総じて売り物に押される展開を余儀なくされている。しかし、相対的に出遅れ感のあった乾汽船はその間隙を縫って一気に上値指向を強めている。22年3月期は市況改善を背景に、増収効果を反映して営業損益段階からの大幅黒字化が見込まれている。年間配当は前期実績の6円から一気に51円への増配を計画していることは特筆される。「アクティビストのアルファレオが筆頭株主に入っているが、会社側では買収防衛策の導入などに動いており、株式需給面でも思惑がある」(国内証券ストラテジスト)とされる。
太洋工業<6663.T>=一時ストップ高。同社は22日、開発に取り組んでいるポリイミドを用いたビルドアップ基板に関して、核となる技術であるフィルドビア技術を確立したと発表しており、これが材料視されている。スーパー・エンジニアリング・プラスチックの一つであるポリイミドを用いたビルドアップ基板の開発は、多層基板の一層の小型化・薄型化・軽量化に向けた取り組みの一つ。今回確立したフィルドビア技術は、絶縁層がポリイミドであるFPC(フレキシブルプリント配線板)にレーザーで開けた穴(ビア)を銅で充填(フィルド)し、かつ充填箇所の表面をフラットにするもの。このFPCをビルドアップ基板のコア層や外層として使用することで、高密度配線及び高密度実装、薄型化の両立が実現できるという。なお、同社では22年度中にも同技術を用いたビルドアップ基板の提供を開始する予定だ。
※未確認情報が含まれる場合があります。株式の売買は自己責任に基づいて、ご自身でご判断ください。
出所:MINKABU PRESS
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