15日の米国株式市場のダウ平均は163.51ドル高(+0.47%)、S&P500は7.18ポイント高(+0.16%)、ナスダック総合指数は9.46ポイント高(+0.07%)とそれぞれ上昇。10月の卸売物価指数(PPI)が予想以上に鈍化したため、利上げ終了観測が一段と強まった。また、ディスカウント小売のターゲットの好決算や、市場予想よりは堅調な結果だった10月小売売上高の結果などを受け、ソフトランディング期待なども高まった。一方、長期金利が上昇したためハイテクは伸び悩む場面も見られたが、底堅く推移した。一方、日経平均は前日比120.11円安の33399.59円と反落スタート。昨日の大幅上昇の反動で、利益確定売りが優勢の展開となった。
個別では、東証スタンダードの大村紙業<3953>、粧美堂<7819>、東証グロースのヘッドウォータース<4011>、ZUU<4387>、ペルセウス<4882>など中小型株が値上がり率上位に並んだ。プライムでは、JBR<2453>や米投資ファンドのバリューアクトによる株式取得が伝わったリクルートHD<6098>らが大幅続伸。
一方、霞ヶ関キャピタル<3498>、メドレー<4480>、ベース<4481>などが下落。値下がり率上位には、東証スタンダードの日本ビジネスシステム<5036>、日本テレホン<9425>、東証グロースのうるる<3979>、Welby<4438>など中小型株が上位に並んだ。
セクターでは、サービス業、銀行業、精密機器などが上昇。一方、小売業、証券・商品先物取引業、パルプ・紙などを筆頭に多くのセクターが下落した。東証プライム市場の値上がり銘柄は21%、対して値下がり銘柄は76%となっている。
アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>など日経平均の寄与度が大きい銘柄が昨日の大幅上昇の反動から本日は下げに転じており、前場は冴えない展開となった。日経平均はさすがに昨日800円超えと今年最大の上げ幅を見せたことから、反動で利益確定売りが出やすい状況だったとみられる。なお、昨日は10月訪日外客数が2019年同月比で0.8%増となりコロナ禍前を上回ったが、インバウンド関連銘柄は既に業績回復を織り込んだ株価水準になっており特段物色された様子はなかった。本日スタンダードへ上場したJapan Eyewear Holdings<5889>は公開価格を6.5%下回る初値をつけたあと大きく売られ、前場は初値を7.0%下回る1182円で取引を終えている。
ただ、足元では米つなぎ予算が下院で可決され米政府機関閉鎖リスクが後退するなど外部要因への警戒感はやわらいできている。14日の米国消費者物価指数につづき、昨日の生産者物価指数、小売売上高などの経済指標発表は米国経済がソフトランディングするという確信を高める結果となっており、投資家のリスクオン姿勢が強まりやすい状況とみられる。後場も動きが遅れている中小型株中心に物色がさかんになりそうだ。一方で日経平均が小幅の下落にとどまるか注目したい。
(二階堂千穂)
<AK>
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