RIZAPグループ<2928>についても3月7日その上場市場について、東証プライム市場への鞍替えを検討していることを発表しました。ソースネクストの株価急騰が示すようにプライム市場上場は株価上昇の大きな材料となります。そこで今回は、他市場からプライム市場へ上場市場を変更した企業の株価パフォーマンスを検証します。
昨年2023年に他市場からプライム市場に上場市場を変更した企業は15社あり、これらの企業では高い株価パフォーマンスを記録しているものが多くなっています。そこで今回はプライム市場に上場変更した企業の株価パフォーマンスと、高いパフォーマンスの原因を考察します。
昨年2023年に他市場からプライム市場に上場市場を変更した企業は15社です。これら15社の2022年末から2024年3月8日までの平均上昇率は45%と高い水準となっています。特に霞ヶ関キャピタル<3498>、FPパートナー<7388>、M&A総研<9552>はこの間に株価は3倍超になる上昇を示しました。霞ヶ関キャピタルは全国で物流施設やアパートメントホテル、再エネ電源を開発し、ファンドや投資家にこれらを販売する事業を主力としています。22年8月期から23年8月期にかけて売上高は207億円から372億円に、営業利益は21億円から44億円に伸びる高い成長を実現しています。FPパートナは生命保険を軸に保険代理業を展開しています。集客と販売を分業することで効率化を実現し、22年11月期から23年11月期にかけて売上高は256億円から305億円に、営業利益は38億円から55億円に拡大しました。M&A総研の代表取締役社長の佐上峻作氏は元エンジニアであり、ナンバー2営業本部長の矢吹明大氏はキーエンスおよび日本M&Aセンターでの職歴を有します。同社はM&A仲介業務における「ソーシング」 「マッチング」「エグゼキューション」の非効率な作業をAI・DXにより圧倒的に効率化し、22年9月期から23年9月期にかけて売上高は39億円から86億円に、営業利益は21億円から45億円に伸びる高い成長を実現しました。
上記の例から、やはり大幅な株価上昇がみられる企業については、業績もかなり高いペースで拡大していることが分かります。高成長に加え、プライム市場に上場市場が変更になることは、投資家の裾野が増えることは株価のポジティブ材料です。機関投資家は、株式の流動性の問題などから、その投資対象をプライム市場のみとしているケースもめずらしくありません。またプライム市場の上場企業となると社会的信頼度も一段と高まります。業績や財務状況に関する情報開示が厳格に求められているため透明性が高く、投資家からの信頼性が高くなり、結果として株式評価も向上します。
RIZAPグループについては、展開しているchocoZAP事業が、現在急速に拡大しており、chocoZAP店舗数は同ブランドの展開を開始した22年7月77店舗から24年2月14日現在では1,333店まで広がっています。同社では26年3月末に、この店舗数を2,800店に拡げ、営業利益300億円(23年3月期-45億円)を目指すとしています。また現在、同社は札幌アンビシャス市場に上場しており、同市場から東証プライム市場への市場変更は、東証グロース市場から東証プライム市場への変更以上に、大きなインパクトが予想されます。 <FA>
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