光学シート事業の売上高は前年同期比30.0%減の93.17億円、セグメント利益は同42.9%減の37.23億円となった。ノートPC・タブレット向けでは、高性能な直下型ミニLED液晶ディスプレイ向け複合拡散板「オパスキ(R)」の新規採用獲得に注力し、複数の案件で量産出荷に至った。また、従来型の液晶ディスプレイ向けの光拡散フィルム「オパルス(R)」はノートPC・タブレットに加えて車載向けなどの販売促進に努めた。しかし、世界的な在庫調整が続いている影響により、「オパスキ(R)」「オパルス(R)」ともに前年同期比で売上が減少したが、第1四半対比の当第3四半期の売上高は90.2%増となっており、第2四半期に引き続き回復が進んでいる。スマートフォン向けについては世界的な在庫調整からの回復傾向は未だ見られず、光拡散フィルム「オパルス(R)」の売上が減少した。また、ゴーグル型VRデバイスの新機種向けに光学フィルムが採用されるなどにより、特殊な機能を有する新製品の売上が増加した。
生活・環境イノベーション事業の売上高は同14.9%増の29.50億円、セグメント利益は2.54億円(前年同期は1.94億円の損失)となった。前年度に引き続き、クリーンエネルギー車向けの特殊フィルム製品など、収益性が高く、かつ高い成長が見込まれる分野での売上が増加し、製品構成に占める高収益製品の比率が上昇した。また、前年度までに実施した、SATCK-Site(旧九州工場)及びSATCT-Site(旧東京工場)の滋賀ATセンターへの機能集約などの事業再編の結果効率化が進み、製造原価及び販売費が減少し、収益が改善した。
地球の絆創膏事業の売上高は同416.4%増の0.73億円、セグメント損失は3.20億円(同0.63億円の損失)となった。前年度に引き続き、屋根用保護シート「KYŌZINRe-Roof(R)」の工場建屋や倉庫、店舗等の企業を対象とする展示会への出展やセミナーの開催などプロモーション活動を強化し、長期的な視点での認知度向上に努めた。併せて、生産能力の確保、製品価値の更なる向上、一層のマーケティング活動の充実のために必要となる要員を含めた体制整備など、将来に向けた先行投資を実施した。これらの施策により、企業向け、一般住宅向けともに、採用実績が増加した。また、確かな施工技術と販路を持つパートナー企業の開拓を推進し、企業向け、一般住宅向けともに販売ネットワークを広げている。
2023年12月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比11.5%減の186.66億円、営業利益が同50.8%減の27.39億円、経常利益が同56.2%減の27.15億円、親会社に帰属する四半期純利益が同59.9%減の19.50億円とする5月12日発表の修正計画を据え置いている。
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