セクターでは、その他製品や陸運業が1%を超える上昇となったほか、化学、建設業、精密機器、小売業も堅調。一方で、鉱業や証券・商品先物取引業は1%を超える下落に。売買代金上位銘柄では、日立<6501>による売却方針が固まったとの報道が一部メディアにて伝わった日立化成<4217>が年初来高値を更新、本日大引け後に決算を控える任天堂<7974>が2%近く上昇したほか、ZOZO<3092>、東京エレクトロン<8035>、ソニー<6758>、SUMCO<3436>も上昇。一方で、前期業績を下方修正した日産自<7201>、前日の決算が嫌気されたキーエンス<6861>やキヤノン<7751>などは軟調であった。
本日の東京市場前場では、警戒されていたファナック・ショックにはひとまず至らなかったものの、朝方に1ドル=112円台を回復していた為替市場では、じりじりと円高方向に振れていることもあり、それに伴って上値も重くなってきている。国内では異例の10連休を控えているほか、本日は引け後に任天堂、明日26日はソニーや村田製作所<6981>とハイテク系を中心に決算が相次ぐことからも、本格化する企業決算の動向を見極めたいとの向きも根強い。
今週の日経平均は5日移動平均線レベルでの推移を継続しているが、22400円近辺は昨年5月から約5カ月間もみ合ったボックス相場の中心であり、戻り売りの圧力も強いゾーンに当たる。前場中ごろから開始された上海総合指数をはじめとしたアジア市場の動向もさえないなかで、この水準を上抜けるには新規の材料が乏しいとみられる。日経平均が底堅さと同時に上値の重さも意識されるなか、個人投資家などの短期資金は東証1部の中小型株やマザーズ・ジャスダックといった新興市場へと向かいやすくなろう。
(雲宮 祥士)
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