■フジオーゼ <7299> 3,975円 (+700円、+21.4%) ストップ高
フジオーゼックス <7299> [東証S]がストップ高。同社は26日取引終了後、24年3月期通期の連結業績予想と年間配当計画を上方修正したことが好感されたようだ。今期の売上高は前期比7.4%増の232億円(従来予想は220億円)、営業利益は同95.6%増の17億円(同10億円)になる見通し。国内での自動車メーカーのバックオーダー解消の取り組みなどによる生産回復や北米向けの受注増加が主な要因だとしている。また、年間配当については、中間配当と期末配当をそれぞれ従来計画比10円増額の75円とし、年間配当は150円(前期は130円)となる。
■エアクロ <9557> 527円 (+80円、+17.9%) ストップ高
エアークローゼット <9557> [東証G]がストップ高。27日正午ごろ、ウォルト・ディズニー・ジャパン(東京都港区)とライセンス契約を締結し、ディズニーアイテムのファッションレンタル「Disney FASHION CLOSET」を今秋から提供すると発表したことが好感された。新サービスは、月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」の新たなラインアップとなる都度課金型サービスで、秋の第1弾以降サービスの順次拡大を予定している。また、サービス開始に先駆け、7月27日からティザーサイトを公開し、事前登録受付を開始した。なお、24年6月期業績への影響は精査中としている。
■カプコン <9697> 6,520円 (+856円、+15.1%)
東証プライムの上昇率トップ。カプコン <9697> [東証P]が3日ぶり急反騰。26日の取引終了後に発表した24年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、売上高が前年同期比73.8%増の438億5800万円、最終利益が同2.0倍の181億6300万円と大幅な増収増益となった。通期計画に対する最終利益の進捗率は約45%と順調な滑り出しとなっており、業績の上振れを期待した買いが集まったようだ。6月に発売したシリーズ最新作「ストリートファイター6」の販売が好調で業績拡大に大きく貢献した。3月発売の「バイオハザードRE:4」なども収益を押し上げる要因となったほか、アミューズメント施設事業も増収増益となった。同社はあわせて、ゲーム開発における3DCG制作などを手掛けるソードケインズスタジオ(東京都千代田区)の株式を取得し、完全子会社化したと開示している。
■明治海 <9115> 662円 (+67円、+11.3%)
明治海運 <9115> [東証S]が急反騰。同社は27日午後1時ごろ、24年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比2.7倍の28億1400万円となり、上半期計画40億円に対する進捗率が70%強に達したことが好感されたようだ。売上高は同29.0%増の155億200万円で着地。前期に竣工・取得した船舶の稼働増に加え、タンカー1隻の新規稼働、円安の効果などを背景に、主力の外航海運業部門が大幅な増収増益となったことなどが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■TOWA <6315> 2,657円 (+268円、+11.2%)
東証プライムの上昇率2位。TOWA <6315> [東証P]が続急騰。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が26日、TOWAについてレーティング「バイ」で新規にカバレッジを開始した。目標株価は3600円に設定した。半導体封止及びパッケージ切断工程を主戦場とする同社は、中長期的な半導体及び製造装置市場、先端パッケージ市場の成長の恩恵を享受しうる事業構造にあると指摘。パワー半導体用途を中心に業績は底堅く推移しており、今後の需要回復局面では業績向上が期待できるとした。同証券はTOWAの25年3月期営業利益が100億円になると予想する。
■シーユーシー <9158> 3,050円 (+301円、+11.0%) 一時ストップ高
シーユーシー <9158> [東証G]が3日ぶり急反騰、一時ストップ高となった。26日の取引終了後に発表した24年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、売上収益が前年同期比24.4%減の76億6300万円、最終利益が同47.3%減の4億8200万円となった。減収減益となったものの、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種支援サービスの縮小の影響を除き、医療機関支援やホスピス、居宅訪問介護などの既存サービスの売上成長率は28%となった。ホスピス施設数を今後更に拡大する計画なども示されており、中期的な収益拡大を期待した買いを呼び込んだようだ。
■JFEシステ <4832> 2,805円 (+242円、+9.4%)
JFEシステムズ <4832> [東証S]が急反発。26日の取引終了後に発表した4-6月期(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比12.1%増の151億6900万円、営業利益が同46.0%増の17億8500万円だった。あわせて、記念配当の実施を発表しており、これを好感した買いが膨らんだ。鉄鋼部門の製鉄所システムリフレッシュの進展をはじめ、各部門での事業が堅調に推移したことが業績を押し上げた。記念配当については中間期末に10円を実施する。これにより、年間配当は102円(前期97円)となる見通し。
■桜ゴム <5189> 3,710円 (+270円、+7.9%)
桜ゴム <5189> [東証S]が続急伸。26日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることでより投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的という。効力発生日は10月1日。
■邦ガス <9533> 2,673.5円 (+190.5円、+7.7%)
東証プライムの上昇率4位。東邦ガス <9533> [東証P]が5日続急伸。27日前引け後に4-6月期(第1四半期)決算を発表。純利益が前年同期比80.2%増の185億9700万円と大幅増益で着地しており、これを好感した買いが集まった。原料費調整制度による原材料費と売上高の期ずれ差益の影響などが寄与。売上高は同7.4%増の1552億7500万円だった。ガス・LPG・電気の合計の顧客数は前年同期末比5万5000件増の294万2000件となった。なお、通期の減収減益見通しは据え置いた。
■弁護士COM <6027> 3,960円 (+270円、+7.3%)
弁護士ドットコム <6027> [東証G]が4日続急伸。26日の取引終了後、「マイナンバーカード署名」サービスの開始を発表した。また、弁護士向け実務サービスにおいて、生成AIを活用したリサーチ支援サービスを今年秋から提供開始するとも公表し、これらのサービス拡大を期待した買いを集めたようだ。マイナンバーカードに搭載された電子証明書を用いて、文書へ電子署名を付与することができる機能を、同社の契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」で提供する。電子契約サービスでのこうした機能の提供は日本初という。高額商品の売買契約や賃貸借契約、金銭消費貸借契約など、実印を利用する契約での利用を見込む。提供開始にあたり、同社は6月21日に総務省から公的個人認証サービスを利用するために必要な一定の基準を満たす事業者としての認定を受けた。弁護士向けの生成AI活用のサービスでは、特に時間と手間のかかるリサーチ業務の効率化につながるサービスを第1弾として開始するとともに、更なる事業拡大に向け検討を進める方針。同時に発表した24年3月期第1四半期(4-6月)の単体決算は、売上高が前年同期比22.1%増の23億9200万円、経常利益が同78.1%増の2億4600万円だった。なお、同社は27日、相続の相談・トラブル解消に特化した弁護士検索サイトの公開も発表している。
■未来工業 <7931> 2,967円 (+194円、+7.0%)
東証プライムの上昇率7位。未来工業 <7931> [東証P]が3日ぶり急反発。26日の取引終了後に24年3月期第1四半期(3月21日-6月20日)の連結決算を発表。最終利益は前年同期比99.2%増の10億4200万円と大幅な増益となった。中間期の計画に対する進捗率は56%と順調な滑り出しとなったほか、プライム市場における全ての上場維持基準に適合する見込みとなったと同時に開示しており、これらを評価した買いが入ったようだ。売上高は同14.6%増の110億6400万円だった。電材及び管材部門では、建築工事現場での作業の省力化につながる商品など多種多様な製品展開を推進。電線管類及び付属品が好調に推移し、大幅な増収増益となった。半面、配線器具部門では高付加価値製品の売上比率が上昇したものの、原材料高や人件費の増加が響き、増収減益となった。同社はこれまでプライム市場の上場維持基準のうち、「1日平均の売買代金」に関する基準に適合していなかったが、6月末時点で適合した。
■ゼオン <4205> 1,447円 (+90.5円、+6.7%)
東証プライムの上昇率9位。日本ゼオン <4205> [東証P]が4日続急伸。27日、24年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。営業利益の見通しはこれまでの240億円から275億円(前期比1.2%増)に上方修正した。営業利益は減益予想から一転、増益を計画する形となり、好感されたようだ。売上高の見通しは3990億円から3940億円(同1.4%増)に引き下げた。市況回復の動きを依然として弱いとしながらも、エラストマー素材事業部門での利益重視の販売を実施した効果やコスト低減の取り組み、円安の影響などを業績予想に反映した。第1四半期の売上高は前年同期比5.8%減の919億2700万円、営業利益は同43.0%減の61億1400万円だった。
■シャープ <6753> 852円 (+46.1円、+5.7%)
シャープ <6753> [東証P]が4日続急伸。日本経済新聞電子版が26日、「台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が傘下のシャープに対し、改善計画の策定を要請したことが26日、分かった」と報じた。経営トップの劉揚偉・董事長が18~21日に東京都内や千葉市のシャープの事業所を訪問。幹部らに3ヵ月以内の提出を求めたという。同社は23年3月期に2608億4000万円の最終赤字を計上している。報道を受け、早期の業績改善を期待した買いが集まったようだ。
■ジャムコ <7408> 1,627円 (+84円、+5.4%)
ジャムコ <7408> [東証P]が3日ぶり急反発。米ボーイング
■JCRファ <4552> 1,383.5円 (+66.5円、+5.1%)
JCRファーマ <4552> [東証P]が3日続急伸。同社は26日取引終了後、24年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比34.5%増の20億6600万円となり、通期計画56億円に対する進捗率が36.9%となっていることが好感されたようだ。売上高は同12.5%増の108億800万円で着地。遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」をはじめ、主力製品の販売が好調に推移したことなどが寄与した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。
■正興電 <6653> 1,091円 (+50円、+4.8%)
正興電機製作所 <6653> [東証P]が大幅続伸。26日の取引終了後に発表した23年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結決算は、経常利益が前年同期比15.9%増の9億4800万円だった。これまでの計画(8億2000万円)を上回って着地したことが買い安心感につながったようだ。売上高は同2.1%減の125億5600万円だった。前年同期に太陽光発電所向けの大口案件があった反動が出た。一方、環境エネルギー部門の国内公共分野で、水処理関連施設向け設備などが堅調に推移。電子制御機器分野の利益率改善も寄与した。
■トクヤマ <4043> 2,465円 (+94円、+4.0%)
トクヤマ <4043> [東証P]が大幅高で4日続伸。2021年5月以来、およそ2年2ヵ月ぶりの高値をつけた。27日、24年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比1.0%増の848億8600万円、経常利益は同20.5%減の56億5300万円となった。経常利益は大幅な減益となり、通期計画に対する進捗率は約19%にとどまった。半導体市場の低迷が響くなか、セメントや化学品などの販売価格の上昇などが奏功した。在庫影響による原燃料コストの増加が利益を圧迫する形となったが、決算説明会資料では下落に転じた石炭スポット価格について、その効果は第2四半期(7-9月)以降に出ると言及。製造コストの減少による利益押し上げ効果への期待を強める格好となった。25日移動平均線を下回った価格帯では押し目買いが集まったほか、5日移動平均線とのゴールデンクロスを形成していることもあって、株高に弾みがついた。
■エヌエフHD <6864> 1,241円 (+42円、+3.5%)
エヌエフホールディングス <6864> [東証S]が大幅反発。電子計測器の開発・製造を手掛け、量子コンピューター研究向け電子デバイスなどにも展開。蓄電池分野にも展開し、子会社を通じ伊藤忠商事 <8001> [東証P]とは家庭用蓄電池システムの共同開発を進めている。足もとの業績も改善色を強めている。26日取引終了後に発表した23年4-6月期決算は営業損益が1億6500万円(前年同期は7500万円の赤字)と黒字に転換、これを手掛かり材料に投資資金が攻勢をかけた。
■インフォMT <2492> 398円 (+12円、+3.1%)
インフォマート <2492> [東証P]が大幅反発。27日、発注書や契約書など企業間商取引をデジタル化するクラウドサービス「BtoBプラットフォーム」について、自治体のLGWAN(総合行政ネットワーク)への本格的な対応を始めたと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。自治体はインターネットと切り離されたLGWANを利用しており、外部ネットワークへの接続が制限されているという。本格稼働を始めた「BtoBプラットフォーム on LGWAN」を活用することで、自治体・省庁内のペーパーレス化と業務のデジタル化が実現するとしている。
■大塚商会 <4768> 5,795円 (+148円、+2.6%)
大塚商会 <4768> [東証P]が続伸。システムインテグレータ大手でシステム開発から保守まで一気通貫で手掛けており、業績も絶好調に推移している。26日取引終了後に23年12月期通期業績予想の上方修正を発表した。売上高は従来予想の9010億円から9540億円(前期比11%増)に営業利益は586億円から622億円(同14%増)に増額した。売上高、営業利益ともに4期ぶり過去最高を更新する見込みとなった。これが評価される形で投資資金を呼び込んだ。
■川崎汽 <9107> 4,275円 (+83円、+2.0%)
川崎汽船 <9107> [東証P]が反発。前日26日の米国株市場ではFOMC通過後に景気敏感株中心に買いが続いたが、半導体関連などハイテク系グロース株は値を下げる銘柄も多かった。足もとではバリュー株優位の地合いとなっている。そのなか低PBRで高配当利回りの海運セクターが投資資金の受け皿となった。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数はここ再び1000の大台を割り込んで推移しているが、バルチック指数への影響が大きいとされる中国経済については中国政府当局の景気刺激策への期待感が高まっており、 海運株への買い戻しを誘発した。
■沖縄セルラー <9436> 3,005円 (+45円、+1.5%)
沖縄セルラー電話 <9436> [東証S]が3日ぶり反発。26日の取引終了後に自社株買いと消却の実施を発表し、好感されたようだ。同社は取得総数120万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.4%)、取得総額30億円を上限とする自社株買いを8月1日から2024年4月19日の間に行う。また発行済み株式総数の5.9%に相当する310万1118株を今年8月9日に消却する予定。あわせて開示した24年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算は、営業収益が前年同期比0.2%減の185億円、最終利益が同8.0%増の33億2500万円だった。「auでんき」の売り上げが減少した一方、マルチブランド通信収入は増加した。
■ABEJA <5574> 5,400円 (+60円、+1.1%)
ABEJA <5574> [東証G]が続伸。人工知能(AI)を活用した企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)導入支援ビジネスで時流を捉え、業績は成長局面に突入している。23年8月期の業績予想は営業利益段階で3億9000万円の黒字(前期は1億6300万円の赤字)を予想しているが、第3四半期(22年9月-23年5月)時点で進捗率は97%に達しており、上振れの可能性も意識されるところ。株式需給面では貸株調達による証券会社経由の空売りが急増していたことから、この買い戻しが株価に浮揚力を与えたもようだ。
■三菱UFJ <8306> 1,079円 (+10.5円、+1.0%)
三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]が反発。そのほか、三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]、みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]のメガバンク3社がいずれも頑強な値動きで目を引いた。日銀金融政策決定会合の結果が公表されるが、今のところ大規模金融緩和策の現状維持が濃厚との見方が強い。しかし、市場では「業界関係者でも意見が分かれており、株関係者の見方は政策変更なしでほぼ一致しているが、債券関係者の一部ではイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正を行うという見方が浮上している。微妙に雰囲気が変わっており、銀行株は売りポジションを取っていた向きが一部買い戻してポジションを軽くしている形跡がある」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれ、 メガバンクの強調展開に反映されたようだ。
※27日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
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