東証プライム市場の騰落銘柄数は、値下がり銘柄が850を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、海運、精密機器、鉱業、医薬品など19業種が上昇。一方、保険、倉庫運輸、銀行、非鉄金属など13業種が下落した。空運は変わらずだった。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、コナミG<9766>、信越化<4063>、第一三共<4568>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、中外薬<4519>、フジクラ<5803>が軟調だった。
前日の米国市場はまちまちだったが、米中通商協議進展期待が高まり、半導体関連株などテック銘柄中心に値を上げた。この流れを受け、東京市場もリスク選好ムードが台頭。アドバンテス<6857>やディスコ<6146>といった半導体関連株や安川電<6506>、ファナック<6954>などの中国関連株が買われ、日経平均の上げ幅は一時400円を超えた。ただし、後場に入り急速に上げ幅を縮める動きになり、日経平均をけん引していたアドバンテスや東エレクは下落に転じるなど、利益確定の動きが強まった。
米中通商協議への期待などが相場を支え、心理的な節目の38500円台乗せ目前まで迫った。米中通商交渉が最終的に合意に達すれば世界経済にとって前向きな展開になるとの思惑が買い材料となっている。ただ、9日の米中交渉では、ベッセント米財務長官とラトニック米商務長官は「実りある協議ができた」などと語っているものの、中国の何立峰副首相からは米中交渉に関し、コメントが出ていないだけに先行き不透明感は拭えていない。10日にも行われる米中交渉の行方が注目されよう。
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